大阪府岸和田市の永野耕平市長(46)は3日、性的関係を強要されたとして府内の女性から損害賠償を求める訴訟を起こされ、和解した問題で、所属する大阪維新の会から除名処分を受けた場合は、市長を辞する考えを明らかにした。市議会は永野氏に対する不信任や辞職勧告などの決議案を提出する方向で検討している。
和解調書(11月14日付)によると、「性的関係を持つのは自制すべきだったとの非難を免れない」として、永野氏が女性に謝罪し、解決金500万円を支払う内容で合意した。一方、永野氏は取材に「性加害はなかった。裁判になったことは残念だが、個人的なことで、解決している」と主張。維新は近く綱紀委員会を開き、永野氏から事情を聴く。
市議会は3日、この問題について永野氏の説明を聞くため、全員協議会を開催。永野氏は「内容については裁判で秘匿することになっている」と事実関係について一切説明しなかった。議員からは「説明責任を逃れる口実にしか思えない」「市長の対応は女性を二度苦しめている」などと厳しい声が相次いだ。
永野氏は進退について「反省すべきは反省し、しっかり市民に尽くす」と市長を続ける意向を示した。一方、市議から「市長は維新の公認を得る際、党の除名処分を受けた場合には職を辞するという趣旨の誓約書を交わしている」と指摘され、「除名されれば辞職するのか」と問われると、「そのような対応になる」と答えた。
全員協議会後、報道陣の取材に応じた永野氏は「(市長を)辞めなければならない話ではないと思うが、維新に除名だと言われたら、ルールは守る」と述べた。一方、烏野隆生議長は「自分は悪くないと言うならば、明白に説明すべきだ」と批判。各会派と協議し、永野氏に対する不信任、辞職勧告、問責などの決議案を検討すると明言した。【中村宰和、藤河匠】
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