今の国政政党としての「維新」について、街の人はどう思っているのでしょうか。

Q.今の「維新」のイメージは?

【80代女性】「最初に比べて今、維新の会すごく落ちてきているでしょ。吉村さん長いし、ちょっと慣れてきたっていうか、もっと新しい改革をしていただきたい」

【60代女性】「全国には向かないような気がします。パワーはあるけども、アカデミックな部分が欠けているような気がします」

【60代男性】「吉村さんは大阪府のことは分かっていると思うけど、日本全体のことはまだ分かっていない部分があると思う。その部分を頑張っていだきたい」


■「顔が憔悴してる、三足のわらじやれるんかな?」

吉村新代表に「期待すること」「言いたいこと」は?

【40代男性】「三足のわらじってところでやれるんかな?大丈夫なんかな?と思います。万博ちゃんと開催されるか心配しています」

【40代女性】「顔が憔悴(しょうすい)しているというか。政治家ってお金いっぱい使って飲み食いして、お姉ちゃんとやんちゃしてみたいなイメージ。顔がいつも潤っていて、おいしいもの食べて、みたいなイメージだけど、(吉村さんは)ほんまに真面目でちゃんとやってる気がするから、息抜きしながら無理せんとってほしい」

【30代男性】「もうちょっと”浪花根性”みたいなのをドンと出して。一新してもらえるような感じがでてきたらうれしい」

【20代男性】「みんな結構、困窮してるっていうか。頑張った人が結果にコミットできる、累進課税で頑張った人だけ税金取られるっていうのは変えてほしい」

【60代男性】「橋下さんと一緒にやった時代があって、もし吉村さんこれから橋下さん誘うかもわからない、そういう期待もある」

■「この期間を公に尽くして、社会が良くなるんだったら集中してやろう」

街の人の中には、「橋下さんを誘うんじゃないか」と期待されている方もいました。

【日本維新の会・吉村洋文新代表】「橋下さん、誘ってみましょうか。でも多分やらないと思いますね。『もう民間人で自由やわ』って言ってますから。『吉村さんごめんね』みたいな感じで言っていますんで」

他には吉村さんが憔悴しているんじゃないかという声もありました。

【日本維新の会・吉村洋文新代表】「そんなこともないんですけどね。その分、頑張ってくれっていうメッセージでしたから、できるだけ頑張ろうと思います。

僕、政治家は一生やり続けたり、職業にしたりする仕事じゃないと思っているんですよ。じゃあなんで政治家やるのって言ったら、大阪で生まれ育って、大阪に育ててもらって、日本に生まれ育って、日本に育ててもらった。

いずれみんな死ぬわけで、その中で自分の人生のこの期間を公に尽くして、育ててもらった大阪・日本に少しでも尽くして返して、社会が良くなるんだったら、そこに集中してやろうと。それが僕の政治観です」

■「小細工するんじゃなくて満身創痍で本気でやる姿勢を貫く」

吉村さんは維新の存在意義について、「次世代のための政党」だと言います。

そこで3つの軸、『高校授業料の無償化全国で』、『社会保障のあり方を見直し』、そして『企業団体献金の禁止』をかかげています。

「Q.党勢回復へ向けて『必勝の策』があるか?」という質問に、吉村さんは「×」と答えていましたが、これらの軸が必勝の策ではないのですか?

【日本維新の会・吉村洋文新代表】「『必勝の策』があればやっていると思います。これで『党勢回復』することはないと思うし、党勢回復を目的にやるべきではないと思ってるんです。党勢回復はもちろん目指しますが、結果であって、有権者の皆さんはちゃんと見ておられますから。大阪市長、知事を経験して感じるところもある。

小細工するんじゃなくて『党としてこういうことを目指します』で、約束したことを実行するために満身創痍でやる。口だけじゃなくて本気でやる姿勢を貫くこと。これが大事だと思う。秘策とかテクニックではない。

これ(維新は「次世代のための政党」)をぜひやりたいと僕は思っている。現役世代や高齢者を支えるのは当然ですけれど、大阪の未来も考えながら僕は政治をしています」

■「医療費の適正化を考えていかなきゃいけない」

【関西テレビ 加藤さゆり解説デスク】「維新といえば、10月の衆院選の公約で『高齢者の医療費窓口負担を原則3割に』と掲げていました。

『newsランナー』でアンケートをとったところ、40代の方は『子育て世帯に手厚くなるならいい』。ただ60代の方は『高齢者いじめです。病院に行けなくなります』と言っています。私は40代で子育て世代で気持ちが分かりますが、親の世代の気持ちも分かる。1割上がるとうちの親は病院に行くのを控えました。次世代に手厚くすることで、高齢者が置き去りにならないかというあたりはどうですか?」

【日本維新の会・吉村洋文新代表】「医療費が増えてきている中で、このままいくと、もうもたない状況になってきています。これは皆さんに正直に言わなければなりません。今国の医療費は47兆円です。

若い世代の皆さん、高額所得者の人以外は給料で一番天引きになっている大きな金額は、社会保険料なんです。社会保険料が原資になっているわけですが、医療の支出が適切なのかは見ていかなきゃいけないと思っています。

守るべきは医療制度というよりは、医療をきちんと受けられる社会であって、医療制度そのものとは違うと思っている。現役世代で住民税非課税世帯になっている、所得がすごく少ない現役世代も窓口は3割なんです。だから年齢じゃなくて、3割でお願いしますと思っています。高額医療が戻ってくる制度とか整えなきゃいけませんけど、年齢で区別するのは少し違うんじゃないのかなと思っています」

世代間で分断を生むようなことになりかねないのではないですか?

【日本維新の会・吉村洋文新代表】「今、分断は実際生まれている。若い世代で所得がものすごく低くても、生活保護の方以外は(医療費)3割払っているじゃないですか。将来を考えると、これからどんどん高齢化社会になっていきますから、高齢者も医療をきちんと受けられる仕組みにするなら、医療費の支出の適正化を考えていかなきゃいけない。社会保険料は何もしなきゃ次の世代はもっと所得が減るから、僕は今の大人として無責任だと思ってます」

【日本維新の会・吉村洋文新代表】「そしてもう一つ、『高校授業料の無償化』は絶対やりたいんです。大阪でやっていますが、北は北海道から南は九州沖縄まで、どこで生まれても99パーセント高校に進学しますから。ここで学びたいと思えば、それができる社会を作りたいと思っています」

■「参院選で議席減なら辞任」するかどうかは答えず

「参院選で議席が減るなら辞任する?」という質問には吉村さんは答えませんでしたが、どういう意図なんでしょうか?

【日本維新の会・吉村洋文新代表】「昨日就任して、もう辞めるんかって、酷な番組やなと思っていましたけど、覚悟を持ってやっていますから。参院選は今の議席より増やすことを目標に掲げます。達成しなかったら当然、審判を受けるということになります」


■3度目の大阪都構想は 「挑戦するなら民主的なプロセス経ないと筋通らない」

3度目の大阪都構想への挑戦はあるのかということですが、2015年、2020年ともわずかに反対が上回って否決になりました。

そんな中、11月に吉村さんは「もう一度大阪維新の会の皆さんと都構想について考えたい」。12月1日には、「道州制を見据え、日本維新の会としても意識して進めていく」と発言しました。

大阪都構想へ、3度目の挑戦をすると捉えていいですか?

【日本維新の会・吉村洋文新代表】「まだ決まっているわけではないです。僕自身は都構想の挑戦はしないと、前回否決になった時に言っていますから、挑戦するなら、何らかの民主的なプロセスを経ないと筋が通らないと思います」

民主的なプロセスというと、例えば府知事あるいは市長として都構想を実現すると掲げて出馬するという可能性はありますか?

【日本維新の会・吉村洋文新代表】「いくつかの可能性はあると思います。ただいま何か決まってることがあるわけではありません。目の前に万博もあるわけで、万博を成功させると公約で掲げていますから。きっちりやり切りたい。

ただ大阪市長、知事を経験している中で、もし東京に何か大きな問題が生じたとき、そこをバックアップする都市があるのかって言ったらないわけですよ。東京一極集中で全部やってるから。

それは本来、大阪が担うべきだと思う。もっと言えば、関西はもっと成長する力があると思っているんです。大阪市と大阪府が一つの強力な行政体となって、関西全体を引っ張っていくぐらいにした方が良いんだろうなという思いはあります。ただ2回否決されているので、本当にやるかどうかはまだ決まっていません」

■「腹くくって物事を進めていくのが政治家の仕事」

【共同通信社編集委員 太田昌克さん】 「都構想が日本全体にとっての起爆剤になれば面白いと思うんですよ。すなわち一極集中で、今の国のあり方には明らかに歪みがある。道州制を広げて日本の形全体を変えていく覚悟を国民に示されたら、関西以外にも一気に支持が広がると思うんですが、そこはいかがお考えですか?」

【日本維新の会・吉村洋文新代表】「これはまさに今回、日本維新の会の代表に出るときに3つの党の存在意義、それこそ道州制とか掲げたんですが、その中で副首都を作っていこう。東京一極集中じゃなくて、例えば福岡とか広島とか、多極分散型の成長する国家を目指すべきだと思うんです。いろいろな都市が成長して日本の成長を引っ張るのがあるべき姿だと思っているんです。

その先陣を切るのが大阪で、まず2極を作る。2極ができれば、3極、4極と広がっていくという国家像を目指していきたいと思っている」

これまで橋下さんも松井さんも否決されて政界引退に追い込まれたということで、政治生命をかけて都構想を挑戦するのか?これについて聞かせてください。

【日本維新の会・吉村洋文新代表】「辞めさせようとしてる?決めているわけではないですけど、腹くくって物事を進めていくのが政治家の仕事だと思っています。一生の職業にするのは違うと思っているので、大きな挑戦をするときは腹くくるのは当たり前だと思っています」

(関西テレビ「newsランナー」2024年12月2日放送)

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