衆院本会議で答弁する石破首相(2日)

▽衆院代表質問

野田佳彦氏(立民)企業・団体献金は多くの野党が廃止を主張している。改革の本丸だ。なぜ議論の俎上(そじょう)に載せようとしないのか。2024年度補正予算案は緊急性のない支出が多数含まれているのではないか。スリム化を図る必要がある。来年3月の核兵器禁止条約の締約国会議に日本もオブザーバーとして参加すべきだ。トランプ次期米大統領と個人的な信頼関係を結ぶことが大事だ。

福田達夫氏(自民)「能動的サイバー防御」の体制整備など、経済安全保障の強化が必要だ。

石川香織氏(立民)闇バイトによる犯罪被害が深刻化し、対策強化の必要がある。選択的夫婦別姓制度導入への国内外の機運が高まっている。

浅野哲氏(国民)年収103万円を超えると所得税が生じる「103万円の壁」は最低賃金の上昇率などを勘案し、178万円に引き上げるべきだ。憲法改正に向け、緊急事態時に国会機能を維持する条文化作業の結論を得るべきだ。

▽政府答弁

石破茂首相

【規正法改正】自民党としては、企業・団体献金自体が不適切だとは考えていない。政策活動費は廃止する。外交上の秘密や営業秘密を害する恐れに配慮し、一部の支出は公開の方法に工夫が必要だ。第三者機関の設置場所は、行政の関与は必要最小限にとどめるべきだとの考え方から、国会に置くことが基本だ。政治資金収支報告書の不記載に関係した議員の衆院政治倫理審査会への出席は、自らが置かれた状況をよく省みて、必要な説明責任を果たすよう促している。

【補正予算案】経済対策で必要な施策を積み上げたものだ。

【年収の壁】各党の税調会長間で議論してほしい。

【闇バイト対策】インターネット上で募集する投稿は、交流サイト(SNS)の事業者が削除できる基準の明確化を検討する。

【サイバー防御】能動的サイバー防御の実現に向け、可能な限り早期に法案として示せるよう検討をさらに加速させる。

【憲法改正】故中山太郎元衆院憲法調査会長は、政局にとらわれない与野党協調の下での議論を重視され、大変貴重なものだった。9条への自衛隊明記に関する自民党の論点整理は党総裁として引き継ぐ。

【トランプ氏】日米安全保障体制により、米国も戦略上の大きな利益を得ている。両国の国益を相乗的に高め合うことが、自由で開かれたインド太平洋の実現に資する。会談が実現した場合は率直に議論し、日米同盟をさらなる高みに引き上げたい。

【核兵器禁止条約】条約には核兵器国は1カ国も参加しておらず、核兵器のない世界に至る道筋は立っていない。

【選択的夫婦別姓】国民各層の意見や国会の議論の動向を注視していく必要がある。〔共同〕

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