政府は29日、2024年度補正予算案を閣議決定した。一般会計の歳出は13兆9433億円で、物価高対策や国内投資促進策を柱にした経済対策を裏付ける。歳入の一部には、好調な企業業績などを踏まえて24年度の税収が従来見通しより上振れするとして、3兆8720億円を充てたが、歳入の約5割は6兆6900億円の国債を追加発行して賄い、財政悪化が進むことになる。当初予算と合わせた一般会計総額は126兆5150億円に膨らむ。
補正予算の歳出のうち、22日に決定した経済対策の関係費用は13兆9310億円となった。このうち物価高対策には3兆3897億円を計上した。住民税非課税世帯に給付金3万円を支給し、うち子育て世帯に子ども1人当たり2万円を加算する費用は4908億円。25年1月に再開する電気・ガス代補助金には3194億円を充てる。
国内投資促進には5兆7505億円を充てる。政府は半導体や人工知能(AI)産業に複数年度で10兆円以上を支援する方針を示しているが、今回の補正予算では1兆3054億円を計上。後発医薬薬の安定供給支援として90億円、創薬支援として462億円をそれぞれ充てる。
このほか、防災や防衛には4兆7909億円を計上する。能登半島地震被災地域の復旧に2684億円、避難所となる学校体育館の空調など学校施設の整備費は2076億円とした。
歳入は税収や国債発行以外にも、1兆8668億円の税外収入を充てるほか、23年度決算の剰余金1兆5595億円を繰り入れた。政府は12月9日に補正予算案を国会に提出し、年内の成立を目指す。
加藤勝信財務相は閣議後記者会見で「経済成長を確実に実現する」と述べた。【加藤美穂子】
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