兵庫県の斎藤元彦知事がPR会社の代表が兵庫県知事選挙で斎藤知事の「広報全般を請け負った」とネット上のコラムに公開した問題について、斎藤知事の代理人弁護士は会見を開き、「広報全般を任せたということは事実ではない」「コラムは盛っている」と述べました。

総務省は業者が報酬を受け主体的に選挙活動に関わることは「公職選挙法に抵触する可能性がある」としていますが、PR会社代表のコラムには、「私が監修者として、運用戦略立案、アカウントの立ち上げ、プロフィール作成」(中略)「プライバシーへの配慮などを責任を持って行い、信頼できる少数精鋭のチームで協力しながら運用していました」と記されていました。

また、知事と打ち合わせする様子や、選挙カーに乗り込みライブ配信を行う姿も記載されていました。

斎藤知事側はこれまでPR会社にチラシのデザイン代などとしておよそ70万円を支払ったことを認める一方で、「選挙運動の中核にいた認識は全くない、あくまでボランティア」だと回答しています。

27日午後4時半から斎藤知事の代理人奥見司弁護士が会見を開き、「PR会社社長がコラムに記載しているような『広報全般を任された』という事実はない」と述べました。

【斎藤知事代理人 奥見司弁護士】「PR会社からいくつかのプランと、見積もりが出されたと聞き及んでいます」

「現在私の手元にはありませんが、見積書には、今回実際注文するに至ったポスターデザイン制作などの他に、YouTube用動画撮影などの項目があったとのことです」

「しかしコラムに記載されているような広報全般をPR会社に依頼するとか、SNS戦略の策定などの項目はなく、いずれも制作物の提案だったとのことです」

「社長がコラムに記載されているようなSNS戦略を依頼したということや、広報全般を任せたということは事実ではありません」

「個別に依頼をしましたので、契約書という書面は作成しておりません」

【斎藤知事代理人 奥見司弁護士】
「PR会社社長夫妻は、斎藤知事がPR会社を訪れた日以降、斎藤知事の考えに賛同して、斎藤知事の応援活動をしてくださっています」

「社長の活動としてこれまでに確認できているのは、公式応援アカウントの取得、公式応援アカウントへの記載事項のチェック、街頭演説会場などにおける動画の撮影、アップロードなどです」

「これらは、社長、社長の夫、斎藤知事の同級生、そのほか選挙スタッフと言えるメンバーと話し合って行われています」

「社長はSNSのことに詳しい方ですので、他のスタッフからの質問に答えたり、社長から助言などがあったことも確認しております。これらはいずれもPR会社としての活動ではなく、選挙のボランティアの一員としてなされたものです。かつ社長が主体的、裁量的に行ったというものでもありません」

「無論、社長個人とは何の契約もありませんので、報酬支払の事実もその約束もありません」

「公職選挙法で禁止されている運動員買収に当たらないと考える理由について、斎藤知事とPR会社の契約内容は、メインビジュアル企画制作、チラシデザイン制作、ポスターデザイン制作、公約スライド制作、選挙公報デザイン制作であり、いずれも政治活動及び、立候補の準備行為として、法で対価を支払うことが認められている内容であり、これに対価を支払うことは買収にあたりません」

【記者】「PR会社のコラムはウソをついている、盛っている?」

【斎藤知事代理人 奥見司弁護士】「そうですね、事実である部分と事実では全くない部分が記載されています」

「特に広報全般を任せたとかですね、そういう部分については全く事実ではないと思っています。なので、そこを盛っているのか盛っていないのか、という意味では盛っておられるという認識でおります」

【記者】「このPR会社によって、色々書かれたことによって、迷惑を被ったと思うが、そのことをどう思うか?今後この会社を迷惑を受けたことによって訴えることはあるのか?」

【斎藤知事代理人 奥見司弁護士】「場合によっては、今後の展開によれば名誉棄損等の問題はあるのかもしれませんけども、現時点では斎藤知事の行為が法に抵触していないことを説明することに徹すると考えており、その先のことは考えておりません」

【記者】「PR会社の社員は選挙運動に携わったのか?」

【斎藤知事代理人 奥見司弁護士】「選挙運動に携わっていないという風に今のところ認識しております」

【記者】「選挙運動に携わったのはPR会社の社長夫妻のみ?」

【斎藤知事代理人 奥見司弁護士】「今まで確認できた事実はその通りです。演説会場でPR会社の社員さんがおられたことまでは確認できておるんですけども、その社員さんが何をされていたのかは確認できていないです」

【記者】「現時点では(PR会社の社員は)選挙運動はしていない?」

「はい、そういう認識です」

また、代理人弁護士の会見に先立ち定例会見に臨んだ斎藤知事は、「PR会社の社長が選挙戦を振り返る発信をネット上でされたと思うが、それについては事前に社長の方から「発信していいか」という打診はあったか?」と記者に問われた際「一切見てない」と答えました。

【斎藤知事】「事前に私は(PR会社代表のコラムを)一切見てもいませんし、そういった発信をするということも聞いていないですし、内容自体も一切確認をしていないと発信された後に知ったということですね」

「PR会社社長がボランティアでサポートして頂いたということだと思いますけども、法令に抵触することはないと認識しています」

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