首相指名選挙決選投票が行われた衆院本会議=国会内で2024年11月11日午後3時46分、宮間俊樹撮影

 11日召集された特別国会では、石破茂首相(自民党総裁)が第103代首相に選出され、第2次石破内閣が発足することになりました。しかし、自民党と公明党の連立与党は衆院で過半数を確保しておらず、「ハングパーラメント」とも呼ばれます。Q&A形式でハングパーラメントについて解説します。【影山哲也】

 Q 「ハングパーラメント」って言葉を最近聞くけど、どういう意味?

 A 国会でどの政党も単独で過半数の議席を獲得できない状態を指します。日本語に訳すと「宙ぶらりんの議会」「宙づり議会」を意味します。議席数の多い第1党を中心に「少数与党」で政権を運営するか、他党と連立政権を組むことになり、不安定になることが多いです。

 Q 日本もハングパーラメントになったの?

 A 10月27日の衆院選で石破茂首相が率いる自民党が敗北し、過半数の233議席を下回る191議席にとどまりました。連立を組む公明党の24議席を合わせても計215議席で過半数に届きませんでした。一方、最大野党の立憲民主党が50議席増の148議席と躍進するなどし、本格的なハングパーラメントが出現しました。1993年の衆院選で自民党が過半数割れして以来、31年ぶりの事態です。

 Q 海外でも例はあるのかな?

 A 英国では戦後3回、ハングパーラメントを経験しました。最近では2017年の総選挙(下院)で第1党の保守党が過半数を割り込み、北アイルランドの地域政党・民主統一党の閣外協力を得て政権を維持しました。10年の総選挙では、第1党となった保守党が第3党の自由民主党と戦後初の連立政権を発足。オーストラリアも10年の総選挙で与野党がいずれも過半数に届かないハングパーラメントになりました。

 Q 石破さんは今後どうなるの?

 A 11日召集された特別国会での衆院の首相指名選挙では、1回目の投票で過半数を得た議員がおらず、上位2人の決選投票で石破氏が立憲の野田佳彦氏を上回り、首相に指名されました。石破首相は、政策ごとに国民民主党など野党の一部から協力を取り付ける「部分連合」で法案を成立させるなどして政権維持を図るとみられますが、より丁寧な合意形成が求められることになります。

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