国会議事堂=平田明浩撮影

 27日投開票の衆院選では、自民党派閥裏金事件が大きな争点となった。事件に関係して党から公認を得られなかったり、比例代表での重複立候補が認められなかったりした44人は、17勝27敗と大きく負け越し、自民の敗北につながった。

 事件の震源地となった旧安倍派の幹部では、事務総長経験者の下村博文元文部科学相(東京11区)と高木毅元国対委員長(福井2区)が落選した。下村氏は党員資格停止1年、高木氏は同6カ月の処分を受け、公認を得られず無所属で選挙戦に臨んだ。福井2区では、高市早苗前経済安全保障担当相の夫である自民元職の山本拓氏が無所属で立候補する保守分裂の構図となり、共倒れとなった。

 旧二階派では、事務総長だった武田良太元総務相(福岡11区)が日本維新の会の新人に競り負け、比例重複が認められなかったため落選した。

 この他、閣僚経験者では旧安倍派の丸川珠代元五輪担当相(東京7区)、西村明宏元環境相(宮城3区)らも立憲民主党などの候補に敗れた。

 非公認となった10人のうち7人が落選した一方、平沢勝栄元復興相(東京17区)、萩生田光一元政調会長(東京24区)、西村康稔元経済産業相(兵庫9区)の3氏は議席を維持した。

 この他、旧安倍派の参院トップを務め離党勧告処分を受けて離党した世耕弘成元経産相(和歌山2区)は、政界引退した二階俊博元幹事長の三男で自民新人の伸康氏を破った。女性問題で離党、議員辞職した宮沢博行氏(静岡3区)は無所属で出馬したが、落選した。

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