衆院選の投票日が27日に迫り、選挙戦は最終盤に入りました。
投票率はどうなるか、そして先日発覚した自民党の非公認候補に2000万円が支給されていた問題について、ジャーナリストの鈴木哲夫さんに聞きました。
川崎キャスター:
平成以降に行われた衆院選の投票率をみると、動きはあるんですけど基本的に低下傾向で前回2021年は55.93%でした。そして「政権選択選挙」と呼ばれた2009年の選挙、このときは結果的に民主党が勝って政権を取るんですが、投票率は69.28%までいっています。「世の中の関心の高さが政権を変えた」とも言われました。
こういう投票率の動きを踏まえて、鈴木さんは独自取材があるということで…。
ジャーナリスト鈴木哲夫さん:
投票率というのはまず支援者たちは絶対に投票行くじゃないですか。雨が降ってもなんでも必ず行く。それである程度、投票率は固まるんですよね。そこから先伸びるかどうかというのはまさに「無党派」と言われる人たちがその時に投票に行くかどうか、それで投票率全体が決まってくるわけです。
自民党の幹部、立憲の幹部の双方に僕が取材したら、まさに最終盤でポイントになるのはこの投票率なんですね。投票率次第で「自公で過半数に行くか行かないか」の分かれ目になってくると言うんですね。
自民党幹部は「投票率52%であれば自公で過半数を維持できるだろう」と。でも無党派がどんどん投票に行くということになると投票率が上がってくる。そうすると立憲の幹部は「58%ぐらいまでいけば立憲含めて野党の勝利で、自公過半数には届かない」と。
つまり、この最終盤でポイントなのはまさに無党派が投票に行くかどうか。そして投票率がどれぐらいになるか。それによって自公が過半数を取るか取らないかが決まってくるっていうところに絞られてきたってことですよね。
川崎キャスター:
しかも各種の世論調査を見てたら、無党派層は圧倒的に自民よりは立憲を推している方が多いようなので、無党派層が伸びたら立憲に(票が)乗るってことですね。
鈴木哲夫さん:
(無党派層が)投票に行けば、ですね。投票に行かない理由はいろいろあって、今回なんか争点がわかんないじゃないですか。「すぐ解散したから」というのもありますが、例えば投票所の入場券が届くのもなかなか遅いですよね 。そういう人たちはまだ投票に行ってない。だから期日前投票にも行ってなかったりする。こういう人たちにやっと投票所の入場券がこの2~3日で来てるというのが多いんですね。投票率がバタバタとこれから伸びていくかっていうのも本当にそこにかかってきますね。
■自民“非公認”2000万円支給問題 影響は
川崎キャスター:
そしてその投票率にも関わる可能性がある「政治とカネの問題」が新たに出てきました。いわゆる“裏公認”と言われている話ですね。
まず自民党本部は今回の選挙戦で税金を原資とした政党助成金から公認候補側に対して「公認料」と「活動費」あわせて2000万円渡しています。一方でこの「裏金問題」で非公認となった側に対しても「活動費」として2000万円支給していたことが明らかになりました。これがもう事実上の公認=“裏公認”じゃないかとして、立憲や野党からかなり強い批判が出ています。
自民党の森山幹事長は「あくまで党勢拡大のため」と説明してるんですけど、この問題が選挙戦に与える影響はどう見ますか。
鈴木哲夫さん:
私が永田町を取材した感じでは、かなり影響ありますね。自民党はかなり激震みたいなところがあって、厳しい選挙をやっている自民党の候補からも「なんで非公認の支部に2000万渡したんだろう」と声も出ているぐらいです。今回の選挙は「裏金問題」を含め「政治とカネ」というのがポイントですから「いやちょっとね」という、このあたりも無党派層にどう響くのかということですよね、僕はけっこう影響があるのかなっていう気もします。
川崎キャスター:
ということで最終盤、まだ情勢は動いていくと思いますが、投票日は27日です。
(2024年10月24日放送「報道ワイド 記者のチカラ」より)
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。