10月27日に迫った衆議院選挙について、福島県の各選挙区の構図を伝える。今回は「福島2区」。
大票田の郡山市を中心に、新たな区割りにより県中地域が再編され、須賀川市や田村市などが新しいエリアとなった。立候補した3人は地盤が分かれていて、支持拡大に向けた攻防が激しさを増している。

<自民党の新人・根本拓さん>
「私はこの先30年を背負っていける若さと情熱、そして覚悟をもって、福島の日本の次の未来を、全身全霊切り開きます」
地元・郡山市で第一声をあげた、自民党の新人・根本拓さん(38)は、旧2区の前職・根本匠さんの長男で、地盤を引き継いだ。

38歳という若さを武器に取り組んでいるのが、YouTubeで配信する番組だ。ゲストを招いて対談を行い、若い有権者を中心に浸透を図る。
「郡山の街をメタバースで再現して、歩いてみて、ここちょっと変えてみようよというのをデジタル空間で実験出来たら面白くないですか?」

自民党に厳しい視線が向けられる今回の選挙戦。世襲への批判も、そのひとつだが、根本さんは社会人としての実績を強調する。
「私は政治家の秘書として、ずっとやってきた訳ではなくて、弁護士として日本の最前線で、また世界の最前線で腕一本で勝負してきました。私、根本拓という人物をぜひ、皆さんに見ていただきたいなと思っています」

新しく選挙区に加わった田村郡は、相手候補の地盤だ。この日は「天丼」を食べて、有権者と触れ合った。小野町では党の総裁戦に立候補した小林鷹之さんが応援に駆けつけ「古い慣例を思い切って、勇気を持って脱ぎ捨てて。この拓さんの培ってきた民間の感覚・グローバルな感覚、そうした若い方たちの力を借りて自民党を必ず変えます」と訴えた。

大学の先輩でもある小林さんの後押しを受けて、世代交代を訴えます。
「未来を切り開きたいかどうかだと思っています。私としては世代交代を進めて、停滞感を打ち破っていく、地域を前に進めていく。日本を次のステージに持っていく。そのための出発点となる選挙だと思っていますので、10年20年ぜひこの地域、この国を私に託していただきたい」

<立憲民主党の前職・玄葉光一郎さん>
「政治の信頼無くして政策は進みません。その信頼のために、玄葉光一郎と戦ってもらいたい。そして究極的には、最大の政治改革は政権交代です」
11回目の当選を目指す立憲民主党の前職・玄葉光一郎さん(60)。郡山市は有権者の約6割を占める大票田。田村市が地元の玄葉さんにとって、新しい選挙区となるが、当落のカギを握る。

そこで始めたのが、手を振る選挙活動。「やっぱり選挙区が変わったので、初めてのこの場では”新人”でもあるし、しっかり名前と顔を覚えてもらう」と話し、議員生活31年のベテランでも初めてのことだという。
今回の選挙では、応援演説を極力断り選挙に集中。新しいエリアで有権者の声を聞いてきた。
この日は昼食でゲン担ぎ。新そばに、ヒレカツ…「10月27日へ 新そば新米です!肉(2区)でカツ(勝つ)」

前回の旧3区のエリアでは、約2万票の差をつけ足場を固める戦いをした玄葉さん。
「志さえ、あと能力さえあればね。なにも、地盤・看板・カバンすべてそのまま引き継ぐっていうことが、本当にフェアなのかどうかっていうのは考えなきゃいけないんじゃないでしょうかね」と世襲への批判を強める。

政治改革の必要性を強く訴え、政権交代を目指す。
「やはり今回の争点の一つは政治改革ですよね。政治改革の中で、一番は裏金の問題。しっかり自分の考え方を、特に新しい有権者に浸透させていくってことに誠心誠意、注力したいなという風に思っています」

<共産党の新人・丸本由美子さん>
「実際に物価が高騰していて暮らしが大変な中で、これまで続いてきた自民党政治、失われた30年と言われますが、賃金が上がらない、それは数字的にもしっかりと明らかになっています」
暮らしを守る政治を訴える共産党の新人・丸本由美子さん(62)。今回の選挙では野党共闘は行わず、消費税減税などを掲げて支持の拡大を図る。

郡山市では小池晃書記局長が応援に立ち「国民に1円単位で税の申告と納税を求めておきながら、裏金議員は税金すら払っていない。国民は増税、自民党は脱税?許すわけにはいかないではありませんか」と訴えた。

地元の須賀川市で市議会議員を5期務めた丸本さん。その経験を生かして「地元の代弁者」として訴える選挙戦だ。「ああいう形で応援受けると、さらに国会でも女性議員まだまだ少ないので、その思いを背負って、やはり活躍できるような議席になりたいなという思いを強めています」と話す。

丸本さんは、裏金問題について金権政治と指摘し、批判票の取り込みを狙う。
「解散になった大きな理由が裏金問題、政治とカネの問題です。自民党の長きに渡り政治の中での問題ですので、有権者の皆様にもお灸を据えていただく立場で審判を下そうよというふうに訴えていく」

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