衆院選の選挙戦最後の日曜日となった20日、与野党党首らは都市部などで論戦を繰り広げた。

自民、公明両党は日本維新の会が地盤とする大阪で支持層の切り崩しへ攻勢を強めた。立憲民主党は自公と競る東京の選挙区で派閥の政治資金問題を受けた政治改革を訴え、無党派層への浸透を図った。維新は愛媛で自民の地方活性化策を批判した。投開票は27日。

大阪市で街頭演説する(手前左から)自民党総裁の石破首相と公明党の山口前代表(20日午後)=共同

自民は2021年の前回衆院選で大阪府内全19小選挙区のうち15選挙区に公認候補を立てたが全敗した。維新は今回、公明候補のいる選挙区に対抗馬を擁立した。

石破茂首相(自民総裁)は大阪、堺両市などで公明の山口那津男前代表と並んで街頭演説し「責任ある政治をするのは自民、公明だ」と力を込めた。気象庁の予算と人員を増やし地震や大雨を予知する体制構築に意欲を見せ「維新の政策に災害対策はほとんどない」と批判した。

山口氏も「維新だけで過半数獲得は不可能。自公の絆を保ち全力で頑張り抜く」と述べ、自公連立の安定感を強調した。

有権者に支持を訴える立憲民主党の野田代表(20日、東京都荒川区)=共同

立民の野田佳彦代表は都内の接戦区に入り、駅前などでの街頭演説で「自公の過半数割れを目指す。政権交代こそ最大の政治改革だ」と語った。政治資金問題を巡り非公認となった自民前議員を推す公明を問題視した。

維新の馬場伸幸代表は愛媛県今治市で「自民は地方創生と言うが全然、地方が良くなっていない」と主張。税収を増やし社会的弱者に新たな行政サービスを提供するとも言及し「自民に任せても無理だ」と力説した。

共産党の田村智子委員長は仙台市で「自公政権で暮らしは良くならなかった」と断言した。国民民主党の玉木雄一郎代表は京都市で政治資金問題に触れ「首相に税金の使い道を決める権限を与えていいのか」と指摘した。

れいわ新選組、社民党、参政党も街頭などで支持獲得に努めた。〔共同〕

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