兵庫県の斎藤元彦前知事が七つの疑惑を文書で告発された問題で、県議会調査特別委員会(百条委)が10月下旬に予定している証人尋問で、片山安孝元副知事ら斎藤氏の側近だった県幹部4人を出頭要請することが11日、判明した。疑惑の一つとされるプロ野球・阪神とオリックスのリーグ優勝記念パレード(2023年11月)を中心に調べる。
パレード疑惑を巡っては、告発文書で「県内の信用金庫への補助金を増額し、それを寄付としてキックバックさせることで開催費用を補った」などと記されている。これを受け、斎藤氏と片山氏に対する背任容疑の告発状が県警や大阪地検特捜部にそれぞれ提出された。
24、25日の証人尋問に出頭を求められるのは、7月末に副知事を辞職した片山氏のほか、理事、総務部長、産業労働部長(4月時点)。片山氏は2回目、産業労働部長は3回目の尋問となる。
11日に開かれた百条委では、この4人に加え、県職員ら7人の証人尋問を実施することを決定。斎藤氏の失職に伴う知事選(31日告示、11月17日投開票)への影響を考慮して非公開とし、選挙戦後に映像や議事録を公開する。
ただ、証人尋問で関係者が「刑事訴追の恐れがある」などの理由で証言を拒む可能性もある。百条委の奥谷謙一委員長は報道陣の取材に「証言を拒否された段階で、捜査機関に委ねることも含めて委員らと検討したい」と述べた。【中尾卓英、栗田亨】
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。