石破茂首相は10日、ラオスの首都ビエンチャンで開かれた日本と東南アジア諸国連合（ASEAN）の首脳会議に出席し、中国を念頭に南シナ海で軍事化や威圧的な活動が継続していることに「深刻な懸念」を表明するとともに、東シナ海で続く日本の主権を侵害する活動にも「強く反対する」と述べた。
ASEAN諸国からは、東・南シナ海での一方的な行為が地域の安定を損なっているとの声が上がった。
石破首相は「世界のどこであれ、力や威圧による一方的な現状変更の試みを許してはならない」として、法の支配や紛争の平和的解決の重要性を訴えた。台湾海峡の平和と安定の重要性も指摘し、「中国とは引き続きあらゆるレベルで緊密に意思疎通を図っていく」と述べた。
核・ミサイル開発を加速させる北朝鮮に対する「深刻な懸念」も表明。ロシアのウクライナ侵攻については、ウクライナ支援と対露制裁を継続するとした。
日ASEAN協力に関しては、デジタルトランスフォーメーション（DX）や脱炭素社会実現に向けたグリーントランスフォーメーション（GX）に向け、協力を推進するとした。
首相はこの後に開かれたASEANと日中韓3カ国（ASEANプラス3）の首脳会議にも、中国の李強首相や韓国の尹錫悦（ユンソンニョル）大統領とともに出席した。【ビエンチャン影山哲也】
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