超短期決戦で行われることになった解散総選挙。新たな区割りでの闘いに挑む候補予定者の動きをシリーズでお伝えします。新潟3区は、従来からの下越地域に新たに新潟市北区の一部と秋葉区という市街地で票数も握るエリアが加わりました。ここに挑むのが前職・元職・新人の3人。それぞれの立場を生かし戦います。

■自民・前職 斎藤洋明氏 党の改革や経済政策に力

10月7日の新発田市。沿道に立ち、市民へ挨拶していたのは、自民党の前職・斎藤洋明さんです。

【自民党・前職 斎藤洋明 氏】
「国会開会中はなかなか来られなかったが、それでも地元にいるときは必ず立つようにしている」

前回の衆院選で、4回目の当選を果たした斎藤さん。

若さを武器に「自民党を変える」と訴え続けてきたなか、去年党内で派閥の政治資金問題が発覚し、党の信頼が揺らぐと…

【自民党・前職 斎藤洋明 氏】
「”リーダーの責任”ということも、私は大いに議論されるべきだというふうに思っている」

今年6月に開かれた自身の政治資金パーティでは、党内で初めて、当時の岸田首相の退陣論に言及。そして10月3日、新たな石破政権で財務副大臣に就任しました。

【自民党・前職 斎藤洋明 氏】
「地方の声もしっかり伺いながら、重要課題に着実に取り組んでまいりますとともに、歳出・歳入両面からの改革を推進していきたいと考えている」

着実に実績を積み上げる斎藤さん。

すると、この日一緒に沿道に立っていた妻・更紗さんが一人その場を離れました。

【斎藤氏の妻・更紗さん】
「私、別に回ってくるところがございまして、ご挨拶に行きます」

前回功を奏した、妻との二人三脚も健在!

一方、地元にいられない時間も多く、新たな選挙区では後援会を立ち上げられていないところも。それでも今回は党の改革に加え、経済政策にも力を入れるとして支持を訴えます。

【自民党・前職 斎藤洋明 氏】
「やっぱり一番は景気であり、経済であり、地元の産業。ですから当然、自民党は改革します、それは当たり前のことですと、その上で世の中をよくしていきますということを訴えていく必要があると思う」

■立憲・元職 黒岩宇洋氏 議席奪還へ地元での活動着々

一方、闘志みなぎる真っ赤な服でビラを配っていたのは、立憲民主党の元職・黒岩宇洋さんです。

【立憲民主党・元職 黒岩宇洋 氏】
「(朝の電車が)20分に1本ずつで、3本くらい。電車が来ないときは車、来るときには電車に」

前回の衆院選では斎藤さんに負け、県内で唯一、党の議席を守れなかった黒岩さん。

今年6月の集会でも、力強く支持を訴える姿がありました。

【立憲民主党・元職 黒岩宇洋 氏】
「やっぱり中央でしっかり声を届けたい。そのために力を貸してください」

悔しさをバネに、毎日、挨拶運動を行ってきたほか、元職としての経験と地元にいる時間が増えた点を逆手に取り、準備を進めてきました。

すると、盟友の議席を奪還しようと、党のベテラン議員も次々と来県!去年には…

【立憲民主党 野田佳彦 氏(去年)】
「新潟3区において、黒岩さんに“アレ”(当選)してほしい」

今年9月に就任した野田佳彦代表もエールを送っていました。

【立憲民主党・元職 黒岩宇洋 氏】
「いつも弟分のようにかわいがっていただいている。そういう信頼関係で戦えるのは私もうれしいかぎりだし、心強いと思っている」

【黒岩氏の妻】
「(ビラ)100くらい…100枚くらいはけた」

【県議】
「100枚は、いっている」

黒岩さんは、自身が企業団体献金をもらわずに政治活動をしていた経験などを強調し、自民党の政治と金をめぐる問題にけじめをつけさせると主張。

勝敗のカギを握る新たな地区でも、活動を着々と進めきたと胸を張ります。

【立憲民主党・元職 黒岩宇洋 氏】
「どの政党でも飽き足らないという人に、私個人としても、どれだけその人たちを引きつけることができるか、そこは非常に大きなカギを握ると思う」

■維新・新人 吉村祐一郎氏 中小零細企業活性化で街を元気に

こうした中、これまでの対立構図に待ったをかける存在も。

10月2日、新たに選挙区に加わった新潟市北区を回っていたのは、日本維新の会の吉村祐一郎さんです。

【日本維新の会・新人 吉村祐一郎 氏】
「ここはもう、市議選のときからお世話になっている」

国政には初挑戦の吉村さんですが、去年の統一地方選挙では新潟市議選で北区から出馬。

【市民】
「ほら!(政党ポスター)はげたの貼ったんだよ。また!」

【日本維新の会・新人 吉村祐一郎 氏】
「ありがとうございます。風にやられた?」

【市民】
「そうだよ」

ほかの候補予定者より馴染みがある場所だと意気込みます。しかし…

【日本維新の会・新人 吉村祐一郎 氏】
「石破さんがあんなこと言い出すから、もう大変になっちゃって本当に。もう、しんどい。準備、全然させてくれない。だまし討ちもいいところ」

急転直下の解散に、公示を迎える準備は間に合っていないと言います。

【日本維新の会・新人 吉村祐一郎 氏】
「打ち合わせも相当入ってくると思う。ビラ・ハガキ・ポスター、それをどこにどういう形で配布するんだと」

それでも…

【市場の人】
「個人の商店がなくなるもんね、これからね」

この日は、大手企業との競争などに苦しむ市場の人たちから生の声を聞いた吉村さん。

中小零細企業を活性化するための経済政策に力を入れ、ボトムアップの景気対策で街を元気にすると訴えます。

【日本維新の会・新人 吉村祐一郎 氏】
「私は中小零細から街をしっかり盛り上げることが景気対策になると思っているので、私はそういう活動がしたい」

有権者が求めるのは前職か、元職か、新人か…戦いの火ぶたはまもなく切られます。

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