衆院が解散され、本会議場を出る前議員(9日)

第214臨時国会が9日、9日間の会期を終えた。立憲民主党、日本維新の会、共産党、国民民主党の4党が同日提出した内閣不信任決議案は衆院解散したため廃案となった。

1日の衆参両院本会議で石破茂氏が第102代首相に就任した。首相は就任から解散まで戦後最短の8日で衆院解散に踏み切った。

野党は政権側が国会論戦を拒んでいると予算委員会の開催を迫った。首相は自民党総裁選の期間中の論戦では「国民に判断材料をきちんと提供する」と予算委に前向きだった。

与党は予算委の代わりに党首討論の開催を持ちかけた。衆院選前の国会論戦は事実上、衆参代表質問と党首討論の3日間のみとなった。

早期の衆院選を優先した結果、審議時間が足りず法案審議の多くを見送った。選挙ポスターの「品位保持規定」を盛り込んだ公職選挙法の改正案や公務員の賃上げのための給与法などの改正案などは衆院選後に先送りになる。

今国会で唯一成立したのが「戦後最大の人権侵害」と言われる旧優生保護法(1948〜96年)下の強制不妊手術を巡る補償法だ。閉会前日の8日に参院本会議で全会一致により可決、成立した。謝罪と被害回復に関する決議も採択した。

9日午後に衆院の議場で解散が宣言された際、野党議員側の多くが恒例の万歳三唱に応じなかった。首相のスピード解散に抗議の姿勢を示した。

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