石破茂政権が発足した。山積する課題にどう取り組むのか。主要閣僚に聞いた。
武藤容治経済産業相
――2040年度の電源構成を決める次期エネルギー基本計画の改定に向けた議論が今後本格化する。
◆足元ではAI(人工知能)の社会実装が進み、データセンターの設置拡大により電力需要の急激な増加が見込まれている。化石燃料への依存から脱却し、脱炭素電源を確保できるかどうかが国力を大きく左右する。原発と再生可能エネルギーを最大限活用していくことが必要だ。
――東京電力の柏崎刈羽原発(新潟県)は地元の同意が得られず再稼働できていない。
◆電力供給の面で東日本は脆弱(ぜいじゃく)性を抱えており、柏崎刈羽原発再稼働の重要性は高まっている。再稼働への理解が深まるよう、地元の要望などを踏まえて安全前提で政府を挙げて取り組んでいく。新潟県の花角英世知事にもできるだけ早く会うチャンスを持ちたい。
――次世代半導体の量産化を目指すラピダスなどに対して巨額の補助金を出してきた。
◆半導体の必要性は高まっているが、日本(の存在)がさらに沈下する可能性がある。今後もどんどん(補助金を)増やすかというとそうではないが、巨額投資への検証もしながら、日本の産業力を強化するために育てていかなければならない。
――総裁選時に石破茂首相は法人税の引き上げ余地があると言及した。
◆(大手企業の)賃上げ率は33年ぶりの高水準で、企業の設備投資額も過去最大となっており、潮目の変化が起きている。これを持続させることが何より大事だ。法人税のあり方については、企業への影響も勘案しながら検討する必要がある。石破氏が総理に就任し、法人税の話も考え方が変わっているのではないか。【聞き手・高田奈実】
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