「裏金議員」は一転、厳しい立場に――。石破茂首相は6日、派閥の政治資金パーティー裏金事件に関わった一部の議員を次期衆院選で非公認とする方針を発表した。自民党執行部は直前まで「原則公認」で調整していたとされる。石破首相の方針に、非公認となる陣営、街の人は何を思うのか。
6日午後。東京都渋谷区の80代女性は「石破さんは元々『裏金問題に対応する』と言っていたので支持していた。党内でどんなやりとりがあったのかはわからないが、最終的には筋を通したとは言えるのでは」と歓迎した。そのうえで「今の時点で政権を評価するのは時期尚早な気もする。これから石破さんらしさを出してくれれば」と期待を示した。
東京都世田谷区の女性(45)は「党内の意見を聞いていたが、さすがに世論を見て選挙で戦えないと思ったのではないか。後手に回っている印象だ」とあきれた様子。「非公認といっても裏金議員全体の一部にとどまるようでは、結局はあまり納得をえられないだろうし、どこか煮え切らない感じがする」と話した。
茨城県龍ケ崎市の会社員の女性(41)は「派閥の意向をくんだ方が政権運営はやりやすいというのが本音だろうが、ここですっぱり(裏金議員を)切れば国民は納得するはず」と評価しつつ、「一番の不満は今、総選挙をすること」と苦言も。「国民が判断する期間が短過ぎるし、これで自民党が負けたら、それこそ石破さんはやりたかったことを何もできないのでは」と指摘した。
大阪府貝塚市のタクシー運転手の60代男性は「石破首相は自分の意見をはっきり言う人というイメージだったが、裏金問題ではトーンダウンした。裏金議員を(原則)公認する当初の方針は、党の中でのいろんな意見を聞いた結果なのだろうが、結局は選挙対策で方針転換したんだと思う」と話した。
大阪市西区の自営業の40代女性は「石破さんは自分の軸がない人なのかなと思ってしまう。判断の理由をしっかりと国民に説明すべきだ」と求めた。【稲垣衆史、古川幸奈】
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