不信任決議が可決されてから初めて登庁した兵庫県の斎藤元彦知事=神戸市中央区で2024年9月24日午前10時7分、山田麻未撮影

 兵庫県の斎藤元彦知事がパワーハラスメントなどの疑惑を文書で告発された問題で、知事は24日、進退について週内に表明する意向を報道陣に明らかにした。「だいぶ固まってはきているが、しっかり考えていく」としつつ「改革を進めたいという思いは今もある」と述べた。19日の県議会本会議で、知事への不信任決議が全会一致で可決されて以降、初めて登庁し、取材に応じた。

 20日は登庁せず、21日からの3連休は公務の予定がなかったが、民放やNHKのテレビ番組に相次ぎ出演した。「私として任期の4年間をしっかりやっていくことが大事。そういった意味で辞職をしてこなかった」などと語り、これまで取り組んできた政策についてアピールした。24日も登庁予定はなかったが、能登半島豪雨被災地の支援方針協議などの公務にあたり、夕方には民放のニュース番組にも出演した。

 報道陣の取材に、知事はこの間の心境について「世間的には『鋼のメンタル』と言われているがずっと苦しかった。私自身の胸の内は日々、すごくしんどい時もあった」と明かした。「(テレビ出演などは)出直し選への準備ではないのか」と質問されると、これを否定した。

 不信任決議を受け、知事は地方自治法に基づき29日までに辞職・失職か、議会解散かの選択を迫られている。知事が議会を解散すれば、40日以内に県議選が行われる。解散後の初議会で再び不信任となった場合は、失職する。失職・辞職の場合は50日以内に知事選となる。

 県議会は24日、25日から再開予定だった本会議を29日まで休会することを決めた。代表質問や一般質問が予定されていたが「不信任が可決された現状で、知事に対して質問する必要はない」として実施はしない。【中尾卓英、山田麻未】

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