林官房長官は23日夜、首相官邸で記者団に対し、23日午後1時台から3時台にかけて、北海道・礼文島北方の日本の領空をロシア軍の哨戒機が3度にわたり侵犯し、これに対して航空自衛隊の戦闘機が緊急発進し、無線での通告と警告に加え、「フレア」による警告を実施したことを明らかにした。
政府はロシアに対して厳重抗議し、再発防止を求めた。
この場合のフレアとは、航空機から、“おとり”などの目的で発射される熱源弾などのことで、林長官は「フレアによる警告を実施したのは、対領空侵犯措置を開始してから初めてだと承知をしている」と述べた。
報告を受けた岸田首相は、「領土・領海・領空は断固として守り抜くとの決意のもと、国際法および国内法令に従い、冷静かつ毅然(きぜん)と対応すること。米国をはじめとする関係諸国と緊密に連携すること。国民や国際社会に対し、適時適切な情報発信を行うこと」の3点を指示した。
林長官は、「今回のロシア軍哨戒機による我が国領空の侵犯は極めて遺憾だ。本日、ロシア政府に対して外交ルートで極めて厳重に抗議するとともに、再発防止を強く求めたところだ」と述べた。
そのうえで。、「今回のロシア軍機の行動の意図・目的については確たることをお答えすることは差し控えるが、ロシア軍は、ウクライナ侵略後も我が国周辺での活発な活動を継続している。政府としては、我が国周辺空域におけるロシアの軍事動向に対し、引き続き強い関心を持って注視するとともに、警戒監視に万全を期していきたい」と述べた。
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