鶴保庸介参院議員=和歌山市で2023年6月17日午前10時58分、加藤敦久撮影

 自民党参院議員の鶴保庸介元沖縄・北方担当相(57)=和歌山選挙区=が28日、和歌山市内で記者会見を開き、衆院和歌山1区からのくら替え出馬を断念すると明らかにした。自民派閥の政治資金パーティー裏金事件で県選出の世耕弘成前参院幹事長(61)が党から処分を受けて離党しており、政権与党の自民所属の参院議員が県内からいなくなることを懸念した県町村会の岡本章会長(九度山町長)が26日、くら替えを留保するよう鶴保氏に要請していた。

 次期衆院選で定数1減となる県内2小選挙区のうち、2区の候補予定者だった二階俊博元幹事長(85)は不出馬を表明しており、これで自民の候補者は全て白紙となった。町村会は二階氏の三男伸康氏(46)に2区からの出馬を要請しているが、伸康氏は態度を明らかにしていない。県連は今後、公募も含めて候補者の選定を急ぐ。

 旧区割りで実施された昨年4月の1区補選では自民元職が日本維新の会新人に敗れ、次期衆院選も苦戦が予想される。さらに、世耕氏が無所属で2区からくら替え出馬するとの見方もあり、県連は難しい対応を迫られそうだ。【駒木智一】

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