12日に告示された自民党総裁選には過去最多の9人が立候補しました。

▽高市早苗 経済安保相(63)
▽小林鷹之 前経済安保相(49)
▽林芳正 官房長官(63)
▽小泉進次郎 元環境相(43)
▽上川陽子 外相(71)
▽加藤勝信 元官房長官(68)
▽河野太郎 デジタル相(61)
▽石破茂 元幹事長(67)
▽茂木敏充 幹事長(68)

◆過去最多9人の候補…注目ポイントは

川崎キャスター:
実に9人の候補による自民党総裁選告示となりましたが、どういうところをどう見ていったらいいんでしょうか。

鈴木哲夫さん:
そもそも自民党の総裁選は私たち一般の国民には投票権がないんですね。つまり自民党のいわば「内輪の選挙」のわけですよ。

だけど自民党総裁が総理大臣になる可能性が非常に高いわけで、ということは我々は投票権は総裁選にはないけれど、その後に来る総選挙、ここで候補の議論を聞いて「あっ、こうだな、ああだな」と僕らは投票していかなきゃいけない。

では国民とか一般の人はどう見ればいいかだけれども、候補者はみんな自分の売りになることを言うわけですよ、「これやります、あれやります」と。

だけどそれに騙されちゃいけません。

つまりそれぞれ見ている視聴者の方、僕もそうだし川崎さんも出口さんもそうだけど、「自分の争点」を持つことですよ。

外交、安全保障、経済のことを言う人も多いけれども、自分の中では何が争点か。

例えば僕はやっぱり年齢的に言っても社会保障なんですよ。年金問題。

そういうところ自分で争点を決めて議論を見る。

社会保障で何もしゃべれなかった人、もしくは、ある人はすごい良いこと言ったら
「あっ、この人だな」という「自分の争点」を持って見ていくことが大事だと思いますね。

川崎キャスター:
鈴木哲夫さんがずっとこの番組でも言ってきた「防災省」のあり方や必要性についての議論もありますが、どう見ていますか。

鈴木哲夫さん:
僕はいいと思います。

防災というのはなにか災害があって、そこからどういうふうに守っていくかみたいなこと、僕は災害を「災害有事」と言っているんですよ。

戦争と同じで人の命を奪いに来る。そして郷土が一気にやられてしまう。

国民の命を守り、そして郷土を守ると言うんだったら、防災だって同じなんですよ。

何も有事の戦争だけじゃないわけでしょう。

「防災省」の議論は全員でやってほしい。


◆岸田政権を否定する発言も…思惑は

川崎キャスター:
国民目線の議論を深めてほしいところですが、中には現在の岸田政権の政策のあり方を強く否定するような、人気取りアピールに見える発言もありますけども、このあたりどう見ていますか。

鈴木哲夫さん:
票を取るんだから、なんとなく受けのいいことを言う、それから議員票を集めないといけない。

ということは裏金についてはあんまり厳しいことを言うまいと、裏金はそのまま党が決めたことだから触れないとかね。 こんなことにしちゃダメですよね。

その辺を僕らは厳しく見ないといけない。


◆立憲民主党の代表選「自民党にプレッシャーをかけられるのは?」

川崎キャスター:
一方で、立憲民主党の代表選もありますが…。

鈴木哲夫さん:
立憲については誰を選ぶかよりも、自民党にとって誰が嫌かという視点で見ると、次の選挙を考えたら、野党が結集して次の総選挙で自民党にガッとプレッシャーをかけられるのは誰か、という視点でたぶん動いています。

だから野田さんとか枝野さんとかがいま争っている感じはありますが、その辺が一つのポイントになってくると思います。

◆自民党総裁選 情勢は

川崎キャスター:
そして、自民党総裁選の情勢は。

鈴木哲夫さん:
これだけ出ていれば議員票はばらけます。

だから1回目の投票で過半数というのはなかなか厳しいんだけど、ここに党員投票が乗ってくる。

私が11日の夜に入手した自民党の中でやってる党員投票の調査によると、1位は石破さん、2位が小泉進次郎さん、3位は高市さんだった。

だからなんとなく横並びの議員票にこういうのが載ってくると、この辺で最後の決戦投票の2人が決まるんだろうなと。

で、その2人について「じゃあどっちが?」というよりは、そこで「あいつは嫌い」だとか「あいつのバックには誰がいる」とか すでにそんな話もなっていますよね。

川崎キャスター:
キングメーカー争いも出てくることになりますけども。

鈴木哲夫さん:
自民党それじゃダメですよね

川崎キャスター:
国民目線で徹底的に議論を深めてほしいと思います。

新しい総裁は27日に決まります。

(2024年9月12日放送「報道ワイド 記者のチカラ」より)

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