自民党本部の壁面に掲げられた、党総裁選広報用の巨大なポスター(2日、東京・永田町)

自民党は岸田文雄首相(党総裁)の後継を決める総裁選を12日に告示する。候補者が同日、立候補を届け出る。上川陽子外相は11日、立候補を正式に表明した。正式表明は9人目となった。2008年、12年の総裁選の5人を上回って過去最多の候補者が出馬する。

27日に投開票する。選挙期間は15日間で、今の規程を導入した1995年以降で最長となる。派閥の政治資金問題を受けた政治改革や、成長戦略など経済政策が主要な争点になる。

党内6派閥のうち麻生派(志公会)以外が解散を決めてから初めての総裁選になる。総裁選の運営を担う選挙管理委員会は11日、選管が主催する地方演説会の日程を公表した。東京都や大阪府などの大都市のほか、石川県や沖縄県など全国の計8カ所で開く。

上川氏は都内で記者会見を開き、「首相として難問から逃げず国民と新たな日本を築いていきたい」と語った。上川氏は衆院静岡1区選出で当選7回。これまで法相を3回務めるなど閣僚を歴任した。首相が率いた岸田派(宏池会)に属していた。

今回の総裁選で女性候補が立候補するのは高市早苗経済安全保障相に続き2人目となる。1955年の結党以来、総裁に女性がついた例はない。

総裁選には小林鷹之前経済安保相、石破茂元幹事長、河野太郎デジタル相、林芳正官房長官、茂木敏充幹事長、小泉進次郎元環境相、高市氏、加藤勝信元官房長官、上川氏の9人がこれまでに立候補を表明した。

野田聖子元総務相は11日、国会内で記者会見し、立候補を断念すると表明した。出馬に必要な推薦人20人を確保できなかったと説明した。小泉氏の支持を明言し、小泉氏の推薦人になる考えを示した。

総裁選は12日午前10時に立候補を受け付け、午後に候補者が党本部での所見発表演説会に臨む。13日に共同記者会見する。国会議員票367票と党員・党友票367票の734票で争い、1回目の投票でいずれの候補者も過半数に達しない場合は決選投票をする。選管は11日、党員投票の人数が全国でおよそ105万人だと発表した。

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