自民党総裁選に向け、政策を発表する林芳正官房長官(10日、国会内)

林芳正官房長官は10日、国会内で記者会見し、自民党総裁選(12日告示―27日投開票)に向けた政策を発表した。特定の分野で世界的に高いシェアを持つ中小企業「グローバルニッチトップ」やスタートアップの支援を進めると強調した。

「日本以外に世界で誰にもつくれないものがたくさん世界に輸出されている」と指摘した。輸出する製品の多様性などで測る「経済複雑性」という指標で日本は1位だと紹介した。成長戦略の一つとして推進する。

コンテンツ産業の振興と制作者の保護のため、公正取引委員会の関与を強める考えも示した。電気・ガス、ガソリンといったエネルギー価格の高騰を抑える岸田文雄政権の政策には「価格が安定するまで引き続き抑制策をしていかなければならない」と述べた。

エネルギーを巡ってはデータセンターや半導体工場の増加による電力需要の上振れに備えてワット・ビット連携(電力系統と通信基盤の一体的整備)を進めるべきだと唱えた。

「郵政民営化法を改正して郵政事業を再構築する」とも言及した。郵便局のネットワークを地域振興に生かすとの考えを示しつつ、詳細は「いろいろ議論されているので、しっかり進めたい」と話すにとどめた。

8日に九州で現場視察した経験を踏まえて農政にも触れた。コメの生産に必要な肥料や燃料の価格上昇を巡り「コストに利益を上乗せした形で価格形成されていく見通しを農家の皆さんに持ってほしい」と語った。

外交戦略に関しては米国や韓国との関係強化を「引き続き推進して地域の平和と安定をしっかり守りたい」と言明した。対中国では「主張すべきをしっかり主張して、ひるまずに言うべきことは言う」と話した。

衆院の小選挙区制度を検証する必要性にも踏み込んだ。「中選挙区制度も一つの選択肢にはなり得る」と述べた。憲法改正は総裁任期中の国会での発議をめざすと表明した。

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