自民党総裁選に出馬を表明した石破茂元幹事長は10日、国会内で記者会見を開き政策集を発表した。最低賃金を「2020年代に全国平均1500円」に引き上げる目標を明記した。現在の政府目標である30年代半ばからの前倒しとなる。
エネルギー政策に関しては「安全を大前提とした原発の利活用」を明記し、「日本経済をエネルギー制約から守り抜く」と強調した。記者会見では地熱などを最大限いかしていく結果として「原発のウエートが減っていくことは起こり得る」と述べた。
政策集は災害対策として2026年度中に「防災庁」を立ち上げ、将来は「防災省」を新設すると打ち出した。記者会見で災害対策の経験者を増やす必要があると説明した。8月に訪問した台湾の避難所整備に触れ、日本の避難所を改善する必要を訴えた。
デジタル技術の活用と組み合わせた地方創生も公約の一つに掲げた。デジタル技術によって地域間の情報格差の是正を目指す。地方への企業進出を後押しし、雇用の創出につなげる構想がある。中央省庁の地方移転を進める目標も政策集に盛り込んだ。
「静かな有事」と訴えてきた人口減少への対策として子育て世代の所得向上に取り組むとも書き入れた。子育て支援は「手当より無償化」の方針で見直すとした。
憲法改正については「首相在任中の発議を実現する」と記した。政党法を作る必要性も提唱した。政党の代表者の決定や経理などの方法を明確にすべきだと言及した。
記者会見では社会保障に関し、国民皆保険を維持する必要性を唱え「昭和の時代のシステムを抜本的に見直していかなければならない」と話した。「医療、年金、介護をどうするかに答えを見いだすのが政治の役割だ」と断言した。
政治資金収支報告書に不記載があった議員への対応を問われると「党としてきちんと話を聞き、ともに説明責任を果たす」と答えた。
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