自民党総裁選を前に、党員・党友に送る投票用紙はがきに宛名シールなどを貼る党府連事務員ら=京都市中京区の党府連で2024年9月9日、久保聡撮影

 自民党京都府連(会長=西田昌司参院議員)は、11月に予定していた府連主催の政治資金パーティーを延期することを決めた。党の派閥のパーティーを巡る「裏金問題」などを受けて岸田文雄首相が退陣を表明し、首相が代わることや、衆院解散・総選挙が10~11月にも実施される見通しのため。次の開催時期は未定だが、改正政治資金規正法の施行時期を考慮する可能性もあるという。【久保聡】

 府連は当初、11月下旬に政治資金パーティー「政経文化懇談会」を京都市内で開く予定だった。昨年も11月に同じ会場で開催し、パーティー券は1枚3万円で多数が参加した。

 しかし、岸田首相が8月中旬に突然、退陣を表明。総裁選で新たな総裁が選ばれて首相が代わることに加え、衆院解散・総選挙が実施される見通しとなった。そのため、府連では11月に政治資金パーティーを開くことは困難と判断。延期することを決めた。

 自民党の派閥の政治資金パーティーの問題を受け、6月に国会で可決・成立した改正政治資金規正法(2026年1月施行)では、パーティー券の現金での販売を禁止し、代金は口座振り込みにするとしている。また購入者の公開基準額を施行1年後に今の「20万円を超える」から「5万円を超える」に引き下げる。

 府連は延期したパーティーの実施時期は決めていない。ただ来年以降となる見通しで、開催時期については改正法の施行後まで延期することも検討している。

 府連主催の政治資金パーティーでも、党所属の地方議員に販売ノルマがある。府連ではノルマを超過して販売した場合は、超過分の販売額の一部を議員側に寄付金として還流(キックバック)。各議員はそれぞれの政治団体の政治資金収支報告書に、還流された金額を収入として記載している。違法ではないが、府連では今後、こうした仕組みについても在り方を検討する可能性があるという。

総裁選投票用紙 党員党友への発送準備

 自民党総裁選(12日告示、27日開票)を前に、党府連は9日、府内の党員・党友約1万3000人分の投票用紙となる往復はがきに宛名シールを貼る作業をした。総裁選には少なくとも8人が立候補する見通し。

 作業は京都市中京区の府連で、午前11時ごろから事務員ら約15人が実施。党員・党友の住所と氏名が記されたシールのほか、今回から新たに導入された偽造防止用のホログラムシールを一つずつ丁寧にはがきに貼った。

 府連は12日に往復はがきを一斉に発送し、党員・党友は投票する候補の氏名を記入して返送する。原則として26日までに中京郵便局(京都市)に到着したものが開票の対象となるが、24~26日には府連内に投票箱を置き、直接足を運んで投票できるようにもする。

 総裁選は党所属国会議員票367票と党員票367票の計734票で争われ、党員票は全国の党員・党友の投票結果を基に「ドント方式」で各候補に配分される。府連でも27日に党員・党友分を開票し、党本部に各候補の得票数を報告する。

 府連の松本明弘事務局長は「総裁選は党だけでなく、日本のリーダーを選ぶための極めて重要な選挙。ふさわしい候補者を選び、投票してほしい」と話した。

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