記者会見で自民党総裁選への立候補を表明する高市早苗経済安全保障担当相=衆院第1議員会館で2024年9月9日午後2時5分、平田明浩撮影

 自民党の高市早苗経済安全保障担当相(63)は9日、国会内で記者会見し、党総裁選(12日告示、27日投開票)への立候補を正式に表明した。投資による経済成長や防衛力、情報力の強化などで「日本列島を強く豊かにする」と訴えた。出馬表明は7人目で、女性では初めて。

 高市氏は「国家の主権と名誉を守り抜くには、総合的な国力の強化が必要だ」と強調。そのためには「何よりも経済成長が必要」として、危機管理や成長分野への投資によって「経済成長をどこまでも追い求める」と訴えた。

 防衛力の強化については、攻撃型ドローン、自律型AI(人工知能)兵器など「新たな戦争の態様にも対応できる国防体制を構築する」と説明。「令和の省庁再編に挑戦する」として、情報収集・分析の司令塔となる「内閣情報局」を創設し、情報通信省や環境エネルギー省を設置すると訴えた。非核三原則については「米国の拡大抑止のもとにあるのであれば『持ち込ませず』についてはしっかりと議論しなければいけない」と述べた。

 派閥による政治資金パーティー裏金事件を受けた党内処分の再検討については「(選挙での)非公認を含めて党内で議論し、決着した処分をちゃぶ台返しすれば独裁だ」と否定した。

 選択的夫婦別姓については「できるだけ多くの方が不便を感じない、その第一歩となる法律をまず成立させたい」と述べ、旧姓の通称使用拡大に関する法整備を進める考えを示した。

 消費税減税に関しては「今すぐ引き下げることは考えていない」と言及。閣僚時代も続けてきた靖国神社の参拝は「祖国を守ろうとされた方に敬意を表し続けることは、希望するところだ」と述べ、首相になった場合でも継続する意向をにじませた。解雇規制の見直しについては「必要はない。反対だ」と明言し、「(他国と比較して)日本の解雇規制が厳し過ぎるわけではない」と語った。

 高市氏の出馬は、前回2021年の総裁選に続き2回目。神戸大卒で、松下政経塾生、民放キャスターを経て、1993年に衆院議員に初当選した。沖縄・北方担当相、党政調会長、総務相などを歴任した。【遠藤修平、高橋祐貴】

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