証人尋問のため、兵庫県議会調査特別委員会に出席する片山安孝元副知事(左)=神戸市中央区で2024年9月6日午前10時31分、山崎一輝撮影

 兵庫県の斎藤元彦知事がパワーハラスメントなどの疑惑を文書で告発された問題で、県議会の調査特別委員会(百条委)は6日午前、知事の最側近だった片山安孝・元副知事(7月に辞職)を初めて証人尋問した。

 片山氏は告発文の存在を把握した後の3月下旬、元県西播磨県民局長の男性(7月に死亡)が告発者の可能性があるとみて、直接事情聴取した。この際のやり取りについて「一つ一つの発言について厳しいことがあったのは反省しているが、知事から徹底的に調べろと言われていたので全体像を明らかにする必要があった」と説明した。

 告発文を公益通報として取り扱わなかった対応について、「文書の作成意図に、知事を排除しようという不正な目的があると思った。公益通報の対象にならないという認識だった」と述べた。

 一連の問題は元局長が3月、知事のパワハラを含む七つの疑惑を告発する文書を報道機関や県議に配布したことで発覚した。元局長は県の公益通報窓口にも通報したが、県は通報者への不利益な扱いを禁じた公益通報者保護法の対象外と判断。内部調査を進めた結果、「核心部分が事実でなく、誹謗(ひぼう)中傷に当たる」と断じ、元局長を停職3カ月の懲戒処分にした。

 元局長は7月、県内の親族宅で亡くなっているのが見つかった。処分に踏み切った県の対応に問題がなかったか百条委で調査が進められている。

 片山氏は県政混乱の責任を取るとして7月に辞職。辞意を表明した記者会見で「知事を支えきれなかった」と述べ、5回にわたって知事に辞職を進言していたことを明らかにした。【大野航太郎、木山友里亜】

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