自民党本部=東京都千代田区で、平田明浩撮影

 「開かずの間からさまざまなものが出てきている」「自民党全体が真っ黒」――。自民党麻生派の裏金疑惑浮上を受けて野党各党幹部は3日、一斉に自民を批判した。自民党総裁選に話題をさらわれがちな野党にとっては、またとない追及の機会。同日の衆参予算委員会理事懇談会では「裏金」を巡る国会閉会中審査も要求するなど、自民包囲網を狭めている。

 立憲民主党の泉健太代表は3日の党会合で、「今まで自分たちだけはクリーン気取りをして、派閥を堂々と存続してきた」と述べ、派閥の政治資金パーティー裏金事件に関与していなかったなどとの理由から自民内で唯一存続を決めた麻生派を批判した。「麻生派の開かずの間からさまざまなものが出てきている」とも語り、関係者の国会招致を求める考えを示した。

 共産党の小池晃書記局長も3日の記者会見で、裏金づくりは「自民党ぐるみ」だったとの認識を示し、「時効とはいえ政治的な責任は極めて重大」だと強調。「政治とカネ」などの問題でこの4年間で13人の自民議員が「起訴されている」とし「異常な事態だ。自民党全体が本当に真っ黒に汚染されている」と訴えた。

 国民民主党の玉木雄一郎代表は3日の記者会見で、先の通常国会で成立した改正政治資金規正法の審議の前提が崩れたと指摘。「新事実が出てくればもう一回裁判をやり直すのと同様に、一からやり直しですよ」と語気を強めた。その上で「新事実に対してどう向き合うか、(総裁選の)候補者は考え方を明確に国民に述べるべきだ」と語った。

 参院予算委の理事懇に出席した杉尾秀哉氏(立憲)は、記者団に「麻生派以外の派閥についても同様の裏金が作られていた可能性があるのではないか」とし、与党側に閉会中審査を要求したことを明らかにした。野党は衆院でも、予算委の閉会中審査開催を要求した。与党が難色を示すのは必至で閉会中審査を開催できるかは不透明だ。【源馬のぞみ、安部志帆子、中村紬葵】

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