広瀬めぐみ氏

 公設第2秘書の給与や退職金を詐取したとして、東京地検特捜部は30日、広瀬めぐみ元参院議員(58)=自民党離党、辞職=を詐欺罪で在宅起訴した。広瀬元議員は、第2秘書が国から受け取った支給額全額を法定の利息分を加えて国庫に返納したと発表し、「改めておわび申し上げます」とした。

 起訴状によると、広瀬元議員は2022年11月から23年8月まで、公設第1秘書の妻を第2秘書としていた。しかし、第2秘書に勤務実態はなく、給与や退職金計約360万円を国からだまし取ったとされる。

 関係者によると、広瀬元議員の第2秘書の口座には国から給与が直接振り込まれていたが、引き出された後に広瀬元議員に現金で渡っていたとみられる。勤務実態があるように見せかけるため、第2秘書に元議員の送迎をさせるといった偽装工作もしていたという。

 広瀬元議員は任意の事情聴取で起訴内容を認めており、特捜部は逮捕せずに在宅のまま起訴したとみられる。一方で特捜部は、第1、第2秘書については不起訴処分とした。いずれも従属的な立場にあったと判断した模様だ。

 第2秘書に勤務実態がないとする疑惑は週刊新潮が24年3月に報道した。広瀬元議員は当時、疑惑を全面否定していたが、8月15日に「事務所の経費捻出のためだった」として議員を辞職した。【安元久美子、北村秀徳、岩本桜、山田豊】

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