気象庁=東京都港区虎ノ門3で、黒川晋史撮影

 気象庁は27日、津波の観測体制を強化するため、福井県など全国9地点に巨大津波計を設置すると発表した。2025年度予算の概算要求に関連経費13億200万円を盛り込んだ。

 巨大津波計は水圧の変化を測定することで津波の高さを算出。現在、国内全66予報区のうち57予報区の92地点に設置している。

 能登半島地震を受け、これまでは巨大津波の発生可能性が極めて低いとして巨大津波計が設置されていなかった福井県▽陸奥湾▽兵庫、福岡、大分3県の瀬戸内海沿岸▽淡路島南部▽山口県日本海沿岸▽佐賀県北部▽有明・八代海――の9予報区内にも1地点ずつ設置することを決めた。観測の空白地帯を解消し、日本全国での観測体制を強化する。

 能登半島地震では、気象庁の現地調査により、新潟県上越市で内陸をさかのぼった津波の高さ「遡上(そじょう)高」が5・8メートルだったことが判明。気象庁の観測機器データでは金沢市と山形県酒田市の80センチが最大とされていた。【木原真希】

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