演説後、談笑する石破茂氏(右端)=鳥取県倉吉市駄経寺町2で2024年8月24日午後2時16分、渕脇直樹撮影
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 「38年間の政治生活の集大成として、これを最後の闘いとして、原点に戻り、全身全霊で支持を求めていく」。自民党の石破茂元幹事長(衆院鳥取1区選出)が24日、生家に近い鳥取県八頭町郡家殿(こおげとの)の和多理(わたり)神社で記者会見を開き、自民党総裁選(9月12日告示、27日投開票)に立候補する意向を正式に表明した。

 石破氏は和多理神社を出馬表明の場に選んだことについて、「ここは父祖の地。子供の頃の夏休み、ここで夏祭りがあった。本当ににぎやかだった。日本は豊かではなかったが、一人一人に笑顔があった。私にとって一番の思い出だ」と振り返り、「政治家になった原点に返りたい。党よりも、国民一人一人を見る、それが自分の原点」と話した。

 境内には地元住民も多数詰めかけ、会見を見守った。長年の支持者という男性は「この地区ゆかりの神社で出馬表明してもらえて、本当に誇らしいし、うれしい。何としても勝利してほしい」と期待した。

 石破氏はこの後、同県倉吉市で開かれた自民県議の県政報告会で講演し、「安心して暮らせる日本を地方から作りたい」と強調。世代交代を求める意見があることについて、「信号のようにパッと(世代交代)できるわけではない。ええ鳥取、ええ日本をつくるために、橋渡しをしなければならない」と述べ、国のかじ取りへの意欲を示した。

 会場には地元の首長や議員、経済団体の関係者らが詰めかけ、期待の声が相次いだ。県議会自民党幹事長の福田俊史県議は「素晴らしい出馬会見だった。石破さんの必勝を」と支援を呼びかけた。

 石破氏の立候補表明を受け、鳥取県の平井伸治知事は「総裁選挙において、正々堂々と人口減少問題をはじめとした日本の進む道について議論していただき、鳥取県初の総理へと踏み出していかれるよう期待したい」との談話を発表した。【山田泰正、渕脇直樹】

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