菅義偉前首相

 自民党の菅義偉前首相は党総裁選(9月12日告示、27日投開票)で、小泉進次郎元環境相(43)を支援する意向を固めた。複数の自民関係者が22日、明らかにした。菅氏は岸田文雄政権と距離を置く非主流派に影響力があり、複数の「ポスト岸田」が菅氏に秋波を送っていた。「小泉・菅体制」が固まったことで、総裁選の構図に影響を与えそうだ。

 関係者によると菅氏は22日、「進次郎に決めたから、よろしく頼む」と周囲に電話で伝えた。周辺議員に対しても、小泉氏支持で連携するよう指示した。

 菅氏は6月、岸田首相について「(派閥の裏金事件の)責任を取っていない」と苦言を呈するなど、非主流派の要として存在感を示してきた。総裁選への出馬に計11人が意欲を示し、乱立模様となる中、菅氏の支持を取り付けられた候補者は一歩抜け出す存在になり得るとの見方があり、石破茂元幹事長(67)は7月、茂木敏充幹事長(68)は今月20日に菅氏と会食するなど菅氏との間合いを詰める動きがあった。加藤勝信元官房長官(68)も菅氏の支援に期待していたとみられる。

 前回2021年の総裁選で菅氏は河野太郎デジタル相(61)を支援した。ただ今回は、河野氏が麻生派に残る判断をしたことから両氏に距離が生じていた。

 小泉氏は、菅氏と同じ神奈川県が地元で、菅内閣で環境相を務めるなど関係が深い。最近は菅氏が持論とする「ライドシェア」の全面解禁を求める活動に取り組むなど間合いを更に詰めていた。両氏とも無派閥で活動してきた共通点もあり、総裁選では「脱派閥」を前面に掲げるとみられる。

 もっとも党重鎮の菅氏の影がちらつくと、かえって支持を集めにくくなるのではとの見方も党内の一部にはある。【樋口淳也、川口峻】

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