岸田首相は14日、臨時記者会見を開き、「自民党が変わることを示す最も分かりやすい最初の一歩は、私が身を引くことだ」と述べ、9月の自民党総裁選には立候補しない意向を表明した。
午前11時半頃、首相官邸の記者会見場に姿を見せた岸田首相は、やや硬い表情で記念撮影などに応じ、その後、総裁選不出馬の意向と理由を説明した。
岸田首相は、冒頭、前日に行われたモンゴルとの電話首脳会談に触れ、「この夏の外交日程を一区切りつけることができた」とした上で、「お盆が明ければ、いよいよ秋の総裁選挙に向けた動きが本格化することになる」と述べた。
そして、総裁選について「自民党が変わる姿、新生自民党を国民の前にしっかり示すことが必要だ」と強調し、「そのためには透明性で開かれた選挙、何よりも自由闊達(かったつ)な論戦が重要だ」と語った。
その上で、「自民党が変わることを示す最も分かりやすい最初の一歩は、私が身を引くことだ。私は来たる総裁選には出馬しない」と表明した。
また、「総裁選を通じて選ばれた新たなリーダーを一兵卒として支えていくことに徹していく」と述べた。
その後、岸田首相は、これまでの約3年間を振り返り、経済政策やエネルギー政策、少子化対策を挙げて成果を強調。
さらに、防衛力の抜本的な強化に向けた防衛費の増額、G7広島サミットなど外交上の展開にも触れて、「多くの皆様の協力によって、大きな成果をあげることができたと自負している」と誇った。
一方で、旧統一協会をめぐる問題や派閥の政治資金パーティーを巡る問題などで「国民の政治不信を招く事態が相次いで生じた」と述べ、「私としては、課題への対応や再発防止策を講じることが私の責任であるという思いで国民を裏切ることがないよう信念を持って臨んできた」と強調した。
このうち政治とカネの問題への対応を取り上げ、「批判もあったが、国民の信頼あってこその政治であり、政治改革を前に進めるとの強い思いを持って、国民の方を向いて、重い決断をした」としつつ、「残されたのは自民党トップとしての責任だ。もとより所属議員が起こした重大な事態について、組織の長として責任を取ることに、いささかの躊躇(ちゅうちょ)もない」と心中を語った。
そして、今回の不出馬について、政治資金問題が「発生した当初から思い定め、心に期してきたところ」と明らかにし、「当面の外交日程に一区切りがついた時点で私が身を引くことでけじめをつけ、総裁選に向かっていきたいと考えている」と表明のタイミングについて説明した。
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