岩手県医療局は8月9日、県立病院の次期経営計画の素案を有識者による経営委員会に示しました。
対象は2025年度から2030年度までで、病院の機能を分化・集約し連携していく方針が盛り込まれています。

9日の委員会には医療福祉分野や自治体などから選出された経営委員と県医療局から約30人が出席しました。

県医療局は地域人口などを踏まえ、県立病院の次期経営計画で各病院を基幹・地域・精神科・地域診療センターの4つに機能を分化し連携を強化する方針を示しました。

このうち9つの基幹病院は高度で専門的な医療を担います。
中央病院はこれまで通り県内の高度・専門医療の中核を担う「センター」病院の位置づけです。

中部・胆沢・磐井・大船渡の4つの病院は、手術件数が多いハイボリュームセンターの機能と役割を果たすため、専門の人材や最先端の機器を配置する「機能集約・強化」。

釜石・宮古・久慈・二戸の4つの病院は、高度な専門医療から身近な医療までをほかの基幹病院と連携して行う「ケアミックス・連携強化」に位置づけられました。

次に地域医療を担う10の地域病院です。

遠野・千厩の2つの病院は、初期救急や一定の専門診療に対応し基幹病院と地域病院の中間機能を担う「準広域」。

東和・江刺・大東・高田・大槌・山田・一戸・軽米の8つの病院は、地域包括ケア病床で入院に対応しながら在宅医療などの身近な医療を提供する「地域密着」の位置づけとなりました。

また紫波地域診療センターの2025年度末での廃止、釜石と遠野を現在地周辺で建て替えることも素案に盛り込まれました。

委員からは「人口が減ると病院の収益確保が難しくなるので機能集約には賛同する」といった意見や「病院同士だけではなく地域との連携も進めてほしい」といった意見が出されました。

県経営管理課 熊谷正信総括課長
「高い質の医療を提供することと身近な医療をしっかり提供すること。この柱はぶれずにやっていきたい。県民の皆さまのための医療のあり方を模索していく」

次期経営計画は8月13日から1カ月間、県民からの意見を公募し各自治体への説明などを経て年内の策定を目指します。

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