ロシア訪問中の鈴木宗男参院議員は首都モスクワでロシア外務省の高官と面会し、「北方墓参の枠組みは破棄されている」と説明を受けたことを明らかにしました。

 鈴木議員は7月30日、前・駐日大使でロシア外務省のガルージン外務次官らと会談しました。

 この中で鈴木議員がウクライナ侵攻などの影響で停止が続いている北方領土の元島民らによる墓参の再開を要請したところ、ロシア側から「2022年9月3日に墓参の枠組みは破棄された」と説明を受けました。

 鈴木議員は2023年10月にもロシアを訪問。外務省のルデンコ外務次官(日本を含むアジア担当)と会談し墓参の再開を求めています。当時、ルデンコ外務次官は「日本が要請すれば対応を考えたい」と話していました。

 鈴木議員は今回の会談でロシア外務省から異なる説明を受けたことに「驚いている」とした上で、「ロシア側の受け止めと日本側の受け止めが違っていたら大変なこと。ロシアと日本の認識に乖離があれば国益に関わる問題。何が事実かしっかり確認したい」と述べました。

 その上で、平均年齢が88歳を超える元島民らに「正確な話がわかっていない中で予断を挟むことはしない方がいい」と呼びかけ。

 「いかなる理由にせよ、何があったにせよ、人道的な見地から墓参だけは続けなければならない。何十回頭を下げてもロシア側にお願いして墓参の実現だけは果たしたい」と強調しました。

 ロシア側はウクライナ侵攻後、日本のロシアへの制裁を理由に「ビザなし交流」の枠組みを一方的に破棄。

 ただ、墓参に関しては「1986年の日本とソ連間の合意を維持している」としていて、日本政府も墓参の再開をロシア側に強く要請していました。

 一方で、鈴木議員はロシア側が灯台の修理を理由に一方的に停止している北方領土の歯舞群島貝殻島周辺のコンブ漁に関し、ロシア側から「8月3日に灯台の修理が終わり、安全を確認してから操業再開の手続きを行う」との説明を受けたことも明らかにしました。

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