少子化対策の財源として公的医療保険料に上乗せして徴収する「子ども・子育て支援金」について、政府が当初1人あたりの負担額を月平均500円弱と説明していたことについて、岸田首相は22日の衆議院予算委員会で「適切な対応だった」との認識を示した。

2026年度から徴収が始まる「子ども・子育て支援金」の負担額を巡って政府は、今年2月の時点で、2028年度に月500円弱との見通しを示し、その後加入者1人あたり約450円との試算を示した。

一方で、4月9日に新たに政府が公表した被用者保険の年収別の負担額の試算では、加入者1人あたりではなく実際に支払う被保険者1人あたりで見ると、500円をはるかに上回る数値が並んだ。

(28年度の負担額は、年収200万円で月350円、年収400万円で月650円、年収600万円で月1000円、年収800万円で月1350円、年収1000万円で月1650円と試算)

政府の新たな試算について予算委で質疑に立った立憲民主党の石川香織衆院議員が「明らかに500円超えている、これはもう支援金という名の負担金だ」と指摘した。

これに対し岸田首相は「医療保険制度全体の額を示す場合には、加入者1人当たりで統一的にお示しする。物差しを統一しなければならない」と前置きした上で、「結果として月450円という加入者1人当たりの平均値で拠出額をお示しできたことは適切な対応である」と真っ向から反論した。

また、石川議員は、従来から政府が説明の際に用いてきた「賃上げと歳出改革によって実質負担ゼロ」との説明についても、「どう見ても負担ゼロじゃない、なぜ未だに実質負担ゼロという説明を繰り返すのか」と追及した。岸田首相は「社会保障負担率という具体的なメルクマールを示した上で国民の負担を増やさない努力を続けている。こういった考え方は、これからも変わらない」と強調した。

石川議員は「どう見ても隠し増税じゃないか。26年度から給与明細から容赦なく天引きされる。説明があまりにも不誠実すぎ、不誠実総理ですよ」と首相を批判した。

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