日中外相は26日、ビエンチャンで会談した

【ビエンチャン=馬場加奈、田島如生】上川陽子外相は26日、ラオスの首都ビエンチャンで中国の王毅(ワン・イー)共産党政治局員兼外相と会談した。東京電力福島第1原子力発電所の処理水の海洋放出に関し、中国による日本産水産物の輸入停止措置の即時撤廃を改めて求める。

東南アジア諸国連合(ASEAN)関連の外相会議出席に合わせた。2023年11月の韓国・釜山以来およそ8カ月ぶりの会談となった。共通の利益を追求する「戦略的互恵関係」の推進に向けた対話の継続や、外相の相互訪問の早期再開も話し合う。

中国で拘束された邦人の早期解放や短期滞在ビザ(査証)免除の復活、米中対立のもとでの半導体輸出規制、沖縄県・尖閣諸島周辺への中国公船の侵入など、両国間の課題は山積みだ。核・ミサイル開発を進める北朝鮮への対処でも中国への働きかけを続ける。

11月にはアジア太平洋経済協力会議(APEC)や20カ国・地域(G20)の首脳会議がある。日本政府は習近平(シー・ジンピン)国家主席との首脳会談の開催へ対話を積み上げようとしている。

岸田文雄首相と習氏は23年11月に米サンフランシスコで会談し、戦略的互恵関係を再確認した。24年5月にはソウルで岸田首相と李強(リー・チャン)首相が会談し、人的往来の拡大などを確認した。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。