木原稔防衛大臣は18日、鹿児島を訪れ、陸上自衛隊奄美駐屯地と、アメリカ軍の訓練移転などに向け整備が進む西之表市の馬毛島を視察しました。工事が始まってから防衛大臣が馬毛島を視察に訪れるのは初めてです。

午前8時過ぎに、鹿児島県奄美市の陸上自衛隊奄美駐屯地を訪れた木原防衛大臣。

防衛大臣が奄美駐屯地を視察するのは、これが2度目で、木原大臣は2年前から運用されている射撃訓練場で、射撃距離が最大300メートルあることや、自衛隊に加え、海上保安庁も施設を利用していることなどの説明を受けました。

そして、自衛隊員約300人を前に訓示を行いました。

木原防衛大臣
「ここ奄美大島周辺においても、中国の艦艇や航空機の活発な活動が見られる。こうした状況だからこそ、我が国の防衛態勢を目に見える形で示し、『力による一方的な現状変更を許容しない』という、我が国のゆるぎない意思を示すことが重要になってくる」

このあと木原大臣が向かったのは、アメリカ軍の訓練移転計画などのため整備が進む西之表市の馬毛島です。

建設工事が始まって1年半。

島の至る所に宿舎やプラントとみられる建物が建ち、多くの重機が動き回っていました。

2024年1月に撮影した映像と比較してみます。

島の中央部には、半年前は無かったプラントのような建物があります。

近くには水をためる場所も確認できました。

工事関係者によりますと、これは泥水を処理するための施設だということです。

さらに、火薬庫が整備される予定の島の北側では、土の中にコンクリートが埋められ、地中へ続く階段のような場所も見られました。

南側で動き回っていたのは、島の固有種マゲシカです。

この1年半の間に、明らかに減少した島の緑地で、草を食べたり走り回ったりしていました。

工事が始まってから防衛大臣がこの馬毛島を視察するのは初めてのことです。

木原大臣は視察に先立ち、目的をこう話しました。

木原防衛大臣
「外海に位置し、社会インフラがまったく整っていない離島での大規模な工事。いわば特殊な条件にありながら、多くの関係者が懸命に作業に従事し、施設整備が進められている、その様子を自らの目で私自身が確認したいと考えている」

轟木康陽記者
「木原防衛大臣を乗せたとみられる自衛隊機が馬毛島に降り立ちました」

木原防衛大臣ら関係者、約20人は午後2時過ぎ、自衛隊機で馬毛島に降り立ち、その後、車に乗り換えて自衛隊の施設を1時間ほど視察しました。

轟木康陽記者
「木原防衛大臣ら関係者らは高台にのぼり、宿泊施設でしょうか、いま見学しています」

現在、馬毛島の工事には作業員約3700人が関わっていて、工期は着工から4年が想定されています。

防衛省はアメリカ軍の空母艦載機の離着陸訓練=FCLPを島内で開始することを優先したい考えですが、時期について木原大臣はー

木原防衛大臣
「FCLPの開始時期の見通しについては、確定的な答えができる段階ではない」

一方、馬毛島を巡って塩田知事は18日防衛省を訪れ、三宅伸吾防衛大臣政務官に要望書を手渡しました。

九州防衛局は、毎月ホームページに工事の進ちょく状況や環境保全措置の実施状況を掲載していますが、県は情報提供のさらなる充実を図ってほしいという内容を、今回の要望書に初めて盛り込みました。

塩田知事が直接要望書を手渡すのは着工以来3回目です。

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