福井市は2024年5月から、粗大ごみの中でまだ使えるものを、フリマアプリの「メルカリ」で販売する取り組みを始めました。北陸3県初の取り組みです。そして人気商品は“意外なモノ”でした。
 
原渕由布奈アナウンサー:
「けっこういろいろありますね~、子供用のおもちゃに、ごみ箱、それから棚、どれも汚れや傷などなく、新品同様です」
 
並べられているのは、粗大ごみとして捨てられたものの、まだ使えるとして、福井市がフリマアプリの「メルカリ」に出品したものです。
  
若手職員の柔軟な発想を事業化する「チャレンジみらい予算」の一環で、2024年5月にスタートしたこの取り組み。始めたきっかけについて福井市収集資源センター・岡田知子さんは「センターには粗大ごみとして様々なゴミが持ち込まれるが、中にはとてもきれいな物があり、もったいないので誰かに渡して使ってもらえないものかと思った」と話します。
 
自治体がメルカリで粗大ごみを販売するのは、全国で福井市が12例目とのこと。これまでに販売された商品は6月時点で23点です。竹製のバッド1000円、スーツケース1000円、お風呂のふたが500円で出品され、購入されました。
 
販売するものは、職員が洗剤で汚れを落とし、場合によっては漂白するなどしてきれいな状態にしています。購入者からは「きれいな品でよかったです」「職員の対応も良かったです」といった評価が投稿されています。
 
商品は、福井市の収集資源センターで引き渡しとなるため、購入者のほとんどが福井市民だったということです。
 
気になる人気商品を、センターの岡田さんに聞いてみると―
なんと、「漬物石」が人気商品との事。
 
岡田さんは「漬物石は元々、売る商品としては全然想定していなかったので、登録したその日のうちに売れてしまったことに一瞬ポカーンと…。しかも30分もしないうちに売れて」と驚きを隠せません。別の商品を受け取りに来た人に、売ってほしいと言われたのがきっかけで4品出品し、4品ともすぐ売れたそうです。漬物石は、表面のプラスチックを剥いで中のコンクリートを粉砕するなど処理に手間がかかるため、市としても商品として売れるのは大歓迎との事。
 
一方、期待した商品が売れないということもありました。「子供製品が一番売れるかな思ったが、思ったよりも売れなかった。仕事をされている方が多いと思うので、平日の引き取りが難しいのかなと思う」と話します。また、入荷希望リクエストは、スーツケースやイスが最も多いとのこと。しかし、きれいな状態での持ち込みが少なく、なかなか出品ができないもどかしさがあるそうです。
  
出品価格については「基本的にはインターネット上で販売されている類似製品の価格を調査して、その半値になるようにしたり、メルカリショップ内を検索して、それと同等か、安い値段になるようつけている」と岡田さん。

福井市の粗大ごみの収集件数は、ここ数年、年間3万件超えていて、今回の取り組みが、粗大ごみを減らすことになればと期待しています。
 
福井市収集資源センター・岡田知子さん:
「自分たちでもやってみようと思ってもらい、福井の中でいろんなものが循環していっていくと良いと思っている」
 
販売手数料を差し引いた収入は、2024年度で25万円を見込んでいて、古紙などの集団資源回収の奨励金に充てる予定ということです。

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