「利用者にとって最善の方策を追い求めていきたい」と話す大村秀章知事=愛知県庁で2024年7月16日午前10時58分、荒川基従撮影

 障害者グループホーム(GH)の運営会社「恵」が、全国に展開する事業所を一括譲渡する方針を示したことについて、愛知県の大村秀章知事は16日の定例記者会見で「一括譲渡はそう簡単ではなく、時間もかかると思う」と推移を注視する考えを示し、「より良い譲渡先を探してほしい。県は、ちゃんとサービスできるのかとの観点から譲渡時にしっかりチェックしたい」と述べた。

 厚生労働省が全事業所の指定更新を認めない「連座制」を恵に適用したため、各事業所は6年ごとの指定更新ができなくなった。恵は12日、県に「最短で年内を目指して全国の事業所の一括譲渡を進める」と報告した。

 大村知事は会見で「利用者は環境が変化することでストレスを感じたりすると思う。いま住んでいるGHがマッチしているのであれば一番いい」と、同じ場所でサービスを受け続けられることが重要との見方を示した。

 恵が運営する県内27事業所を計433人が利用しており、県などが他の事業所を調査したところ、少なくとも284事業所で計924人の受け入れが可能と判明している。愛知県西尾市にある恵のGHは9月末で指定期間が終了するため一括譲渡が間に合わない可能性が高く、大村知事は「近辺でサービスを提供しているところを紹介して移っていただくのが現実的だ」と指摘。「引き続き住む場合、移る場合の両方をにらみながら、利用者を全力でサポートしていきたい」と述べた。【荒川基従】

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