”日本最古の湯”。愛媛県松山市で不死鳥のごとく11日に「完全復活」した道後温泉本館。「再開」までの5年半の歩みを振り返ります。

道後温泉事務所・重谷治所長(当時):
「しばらくの間、西側玄関の出入りができなくなります。よろしくお願いします。ありがとうございました」

玄関のドアが閉められ、明かりが消えた愛媛のシンボル。国の重要文化財「道後温泉本館」の保存修理工事は2019年1月にスタートしました。

正本健太キャスター:
「保存修理工事が始まります。今、業者の方が工事に入りました」

この工事は耐震化を図り、文化財としての貴重な建物を後世に伝えるため実施。一部で営業を続けながら行われるという「前代未聞の取り組み」でした。

この年の4月30日は日本にとって節目の時。本館の前ではイベントで盛り上がりました。

カウントダウン:
「5、4、3、3、1」「ハッピーニュー令和!」

「平成」から「令和」へ新しい時代の幕が明け、工事も本格化。工事期間中で課題にあげられていたのが観光客の減少の歯止め。この対策が「見せる工事でした」。7月には。

7月に観光客たちをひきつけたのは、道後温泉本館を囲む工事用の巨大な柵にはアートなシート。描かれているのは手塚治虫の名作「火の鳥」です。前期工事中の約2年間、「再生・復活」のシンボルとして道後全体を彩りました。しかしこの翌年に、脅威の感染症の暗雲に愛媛も覆われました。ゴールデンウィークでは…

正本キャスター:
「道後商店街です。人の姿が全くありません」

道後のウナギ店:
「かなりの人の少なさでびっくりしている」

新型コロナの感染拡大で緊急事態宣言が発令。本館も臨時休館を余儀なくされるなど、かつてない苦境も経験しました。それでも「道後に観光客をひきつけなければならない」。「見せる工事」後半は2021年から。

宇和島市在住の画家・大竹伸朗さん:
「(タイトルは)ここにあるように『熱景』としました」

後半の工事の柵を覆うアートの作者は、宇和島市在住の画家大竹伸朗さん。道後温泉のシンボル・シラサギや温泉が持つエネルギーなどをカラフルなちぎり絵で表現しました。

東京のカップル:
「すごい目引きますね」
「インスタ映えがあるんじゃないんですか」

さらに道後温泉別館飛鳥乃湯泉の庭は、映画監督で写真家の蜷川実花さんワールドに。花のじゅうたんで華やかに彩られました。このほか現代アートでまちを彩る“道後オンセナート”も開催されるなど、道後は「見せる工事」とともに新たな魅力を発信し続けた5年半でもありました。

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