海上自衛隊は9日、今年4月に海自のヘリコプター2機が衝突し墜落した事故について、見張り不足による距離誤認や指揮官の連携不足により直前まで衝突を回避する措置が行われていなかったことが事故の要因だとする調査報告書を公表した。

海上自衛隊の「SHー60K」哨戒ヘリ2機は4月、伊豆諸島沖で夜間訓練中に衝突して墜落し乗組員8人が死亡した。

今回、海上自衛隊が公表した事故の調査結果では、衝突の原因として「2機ともに相互の存在を認識しつつも衝突の瞬間まで回避操作が行われていないことから、視認距離の把握が困難な夜間において相手機の距離を誤認した可能性がある」とし、「見張り報告要領、動静把握対応が不十分だった」ことを指摘した。

また「複雑な作戦環境下における高度管理の不十分」を指摘し、ヘリ2機を監督し高度の管理をする指揮官の連携不足を原因にあげた。

事故の再発防止策としては、見張りの徹底と、飛行高度の管理厳格化、衝突を回避する機能が作動する装備品の導入などについて検討を進めるとした。

木原防衛相は9日の記者会見で「調査結果を重く受け止め、この先、1人の犠牲者も出さない覚悟・決意で、事故の再発防止に全力を挙げていく」と強調した。

海上自衛隊は、この調査結果を踏まえ、9日以降、同型機による複数での訓練飛行を再開する。

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