今回の都知事選挙の期間中、聴衆の不審な行動を「AI(人工知能)」で検知する新しいシステムを、警視庁が選挙警備として初めて運用したことが分かり、演説会場で活用された様子をFNNのカメラがとらえた。

安倍元首相の銃撃事件から2年

2022年7月8日、参院選の応援演説に訪れた奈良県の大和西大寺駅前で、安倍晋三元首相が銃撃され死亡した事件から8日で2年となった。

献花に訪れ手を合わせる人
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献花台を訪れた人々から聞かれたのは、今もあの日の惨劇が脳裏に残っているという声だった。
献花に訪れた人は、「やっぱりここに来ると足が震えるような気がします。安倍総理がまだいらっしゃるようなそんな気がします」と語った。

昭恵夫人のSNSより

8日午前、山口県で三回忌を終えた安倍昭恵夫人は、「今、無事に三回忌の法要を済ませることができ、ありがとうございました」と語った。
その後、SNSに笑顔の夫のパネルとツーショット画像を「あっという間の2年でした」というコメントとともに投稿した。

あっという間の2年。

2023年衆院補選の応援演説中の岸田首相に爆発物が投げ込まれた

その間にも、2023年に衆院補選の応援演説中の岸田首相に爆発物が投げ込まれる事件や、2024年4月には、小池都知事が応援に駆けつけた陣営の演説が妨害される事件が発生した。

AI警備 警察庁の検証報告書で必要性指摘

こうした中で行われた、今回の都知事選。

演説現場では厳重な警備が行われ、演説開始1時間前には、すでにずらりとバリケードが設置され奥の方まで伸びていた。
さらに、あたりにはたくさんのSPや警察官の姿があった。

選挙期間中の小池都知事の演説現場での警備の様子を見ると、演説場所の周りだけでなく、聴衆のブースもパイプ柵などで囲まれ、中に入るには、手荷物検査や金属探知機によるチェックが必要となっていた。

さらに、安倍元首相の銃撃事件の教訓を生かし、演説する人の背後に人が入り込まないよう警備態勢を構築していた。

その一方で、批判の横断幕を掲げる人があちこちに現れ、中にはデパートのエレベーターを使い、批判的なビラを掲げている人の姿も見受けられた。

今回の都知事選で、身に危険が及ぶような不測の事態を防止する手立てとして、新たな対策が行われていたことが明らかになった。

小池候補の演説中に、聴衆のエリアのすぐ横の高い位置にカメラが設置されていた。
危険な動きがあった場合、AIで素早く察知する機能だという。

聴衆の一団の中に、拳銃を取り出そうとする行動や落ち着きのない不審な行動を示す人物がいた場合、AIカメラが検知し、アラートを出すようになっているという。

このほかにも…。

小池都知事が船の上で演説した際は、ドローンを使用した警備や警護が行われたといい、小池都知事も「ドローンが飛んでいる」と認識していた。

今回の都知事選の警備で導入されたAIカメラ

今回の選挙警備でAIカメラを初めて運用した警視庁は、「こうした新しい技術は、警護・警備を高度化するにあたって、非常に有用なものだと思う。こればかりに頼ることなく、緊張感を持って今後も警護警備に万全を期していきたい」としている。
(「イット!」7月8日放送より)

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