大阪府堺市が計画を進めている市中心部を東西に結ぶ自動運転バス事業をめぐり、国からの補助金が「不採択」となって交付されず、来年に予定されていた実証実験が実施できなくなったことが分かりました。

堺市は、市中心部の堺駅と堺東駅を東西に結ぶ自動運転バスを運行するなどの、「SMIプロジェクト(堺モビリティイノベーション)」を進めています。


市は自動運転バスの実証実験を来年1月〜2月に行う予定で、今年度の当初予算では、実施費用およそ1.9億円のうち、8割以上にあたるおよそ1.6億円について、国土交通省の補助金でまかなう方針でした。

こうした方針を反映した堺市の予算は今年3月に可決され、市は国土交通省が翌4月から5月にかけて募集していた補助事業に応募しました。

しかし市によると6月、国土交通省から「採択を見送る」との通知があったということです。

市の担当者は、「国は早期のレベル4実現を重視したと思われるほか、全国的なバランスも考慮し、総合的に判断したのではないか」と話しています。

補助金が交付されないため、市は来年に予定していた実証実験の実施を見送るほか、事業について、「全体的なスケジュールの見直しが必要だ」としています。


この自動運転バス事業をめぐっては、ことし3月の市議会で、維新以外の会派が「実装に至るまでの予算のめどがついていない」「周辺の街づくりのビジョンが示されていない」などと反発し、当初予算案について原案から、実証実験の費用を削減した修正案が一度可決されました。

しかし、大阪維新の会所属の永藤英機市長が、首長の拒否権にあたる「再議」を発動し、最終的に、実証実験の費用を組み入れた原案が可決されていました。

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