東京都知事選で現職の小池百合子氏が当選確実となり、記者会見で質問者を指す石丸伸二氏=東京都新宿区で7日午後8時6分、猪飼健史撮影

 過去最多の56人が立候補した東京都知事選は8日、開票結果が確定した。3選を決めた現職の小池百合子氏(71)は291万8015票を獲得。前広島県安芸高田市長の石丸伸二氏(41)は165万8363票で次点に入った。元参院議員の蓮舫氏(56)は128万3262票で、3位に沈んだ。

 自民党や公明党の自主支援を受けながら政党色を消して臨んだ小池氏が手堅く勝利し、「完全無所属」をうたった石丸氏が躍進する一方、立憲民主党と共産党の支持を受け与野党対決の構図を強調した蓮舫氏は伸び悩んだ。与野党を問わず、既存の政党や政治への有権者の不信があらわになったと言えそうだ。

 投票率は60・62%(前回55・00%)で、平成以降の計11回の都知事選では、衆院選と同日だった2012年(62・60%)に次いで2番目の高さとなった。小池氏は前回20年から約74万票減らしたものの、全区市町村で最多の得票だった。

3選を決めた東京都知事選から一夜明け、取材に応じる小池百合子知事=東京都庁で2024年7月8日午後1時46分、宮間俊樹撮影

 小池氏は8日午後、報道陣の取材に応じ、勝因について「チルドレンファーストの施策や介護人材の確保など、具体的な訴えが皆様方に響いた」と分析。保育料無償化の第1子への拡大など、公約を速やかに予算化する考えを示した。

 次点に入った石丸氏は既存の政党の推薦や支持を受けず、「政治再建」を掲げてネット交流サービス(SNS)や動画サイトを駆使した選挙戦を展開。若年層や無党派層の支持を集めて躍進した。

 石丸氏は7日夜、今後の国政進出の可能性を問われると「選択肢としては当然考える。例えば、衆院広島1区。岸田文雄首相の選挙区。全ての選択肢はテーブルに載っている」と述べた。一方で「現段階で何か党をつくろうという意思はない」とも明かした。

 蓮舫氏の得票数は、22年の参院選東京選挙区で自身を含む立憲候補2人と共産候補1人の得票数の合計(約172万票)に遠く及ばなかった。毎日新聞社と社会調査研究センターが実施したインターネット調査では無党派層からの支持が2割弱にとどまり、野党共闘のあり方に課題を残した。【島袋太輔、米江貴史、白川徹】

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