過去最多の56人が立候補した東京都知事選は7日投開票される。17日間の選挙戦の締めくくりとなった6日は東京都心で最高気温が34・2度まで上昇。夕方以降は雷雨も発生する厳しい環境の中、候補者は最後の訴えに声をからした。
現職の小池百合子氏(71)は東京・銀座の歩行者天国で防災対策に触れて「『首都防衛』を進めていきたい。都知事の最大の責務だ。皆さんの命と暮らしを守り、災害から救っていく」と訴えた。当初は「公務優先」を掲げて都内各地の防災や子育てなどの現場を視察していたが、終盤に入ってからは連日駅前で支持を呼びかけるようになり、所得制限のない高校授業料の実質無償化といった実績をアピール。衆院議員時代の地元である池袋駅前でマイクを納めた。
前広島県安芸高田市長の石丸伸二氏(41)はこの日、渋谷、新宿、東京などターミナル駅の近くで演説を重ねた。秋葉原駅前では、公約に掲げる都政の透明化について触れ「関心がなければ伝わらない。私は実践してきた。皆さんが都政に興味を持つのは間違いない」と述べ、市長時代に動画サイトへの投稿で市への注目を集めた実績を強調。「東京の未来は皆さん次第だ」と語りかけた。選挙戦ではネット交流サービス(SNS)を多用し、街頭の聴衆にも拡散を呼びかけた。
元参院議員の蓮舫氏(56)は国分寺駅前や自由が丘駅前を回り、新宿駅前で最後の演説に臨んだ。「これから必要なのはオープンで公平な都政。変えましょうよ。私にリセットさせてほしい」と都政の刷新を訴えた。選挙戦では非正規労働者の正規との格差解消に取り組むことや、住民税非課税の多子世帯に対する家賃補助を公約に掲げた。立憲民主党の野田佳彦元首相、辻元清美代表代行、共産党の小池晃書記局長など立憲、共産の国会議員がたびたび応援に駆けつけた。
AI(人工知能)エンジニアの安野貴博氏(33)は集まった意見を反映する参加型マニフェストを作成し、街頭で変革を訴えた。
タレントの清水国明氏(73)は防災対策に重点的に取り組むとし、選挙期間中にも能登半島地震の被災地に入った。
元航空幕僚長の田母神俊雄氏(75)は保守層に加え、若者世代への浸透を図ろうと新宿・歌舞伎町などで街頭演説を重ねた。
投票は一部を除き7日午前7時から午後8時まで。即日開票され、深夜には大勢が判明する見通し。【島袋太輔、白川徹、米江貴史】
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