都知事選最終日、候補者の街頭演説を聞く有権者ら(6日、都内)=一部画像処理しています

任期満了に伴う東京都知事選は6日、選挙戦最終日を迎えた。過去最多の56人が名乗りを上げた「乱戦」。各候補者は街頭で防災や少子化対策などそれぞれの政策を訴え、17日間に及んだ論戦を締めくくった。都内は日中の暑さから一転、夕方に局地的な雷雨となり、活動を早めに切り上げる候補者もいた。

3期目を目指す現職の小池百合子氏(71)は6日午後、休日の買い物客らでにぎわう東京・銀座の交差点で街頭演説に立った。数百人規模の聴衆を前に「『首都防衛』こそ都知事として最大の責務だ。皆さんの命と暮らしを守り災害から救っていく」と訴え、投票を呼びかけた。

無党派層への支持拡大に向け、公務の合間を縫って街頭演説に臨んできた。約20分間の演説では、行財政改革や新型コロナウイルスへの対応など、2期8年間の実績をアピール。子育て支援策の強化を3期目の公約として挙げ「子育てがしやすく、教育をうけやすい東京にする」と述べた。

前参院議員の蓮舫氏(56)は正午からJR国分寺駅でマイクを握った。自身が双子を育てた経験にも触れ「子育てする皆さんをきめ細やかに支えていく都知事でありたい」と声を張り上げた。都が少子化対策として進める独自のマッチングアプリの提供といった事業を批判し、税金の使い道を見直すと表明した。

選挙戦を支えてきた立憲民主党の党幹部らも応援に駆けつけた。駅前のロータリーを埋め尽くした聴衆の中には「都知事を変えよう」などのメッセージが入った手製のプラカードを掲げる人の姿もあった。

都知事選で候補者の街頭演説を聞く有権者ら(6日、都内)=一部画像処理しています

「経済を知る専門家として初の都知事となり、この街をどんどん成長させる」。前広島県安芸高田市長の石丸伸二氏(41)はJR新宿駅前で訴えた。大手銀行のアナリストや市長としての実績を改めて強調。「都政の見える化、分かる化を進め、政治再建に取り組む」と力を込めた。

SNSを活用して知名度を高める戦略をとってきた石丸氏。最終日も集まった有権者に「街頭演説は見納め。しっかり写真や動画を撮ってください」と促した。

元航空幕僚長の田母神俊雄氏(75)はJR新宿駅前などで演説に立ち、「東京から日本を変える。まずは都民税の減税を行う」と主張。防災対策などにも取り組む姿勢を示した。

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