自民党本部=東京都千代田区で、平田明浩撮影

 自民党は5日、憲法改正に向け党内意見を集約するためのワーキングチーム(WT)の初会合を党本部で開いた。岸田文雄首相は秋の総裁選を見据え改憲に意欲を示しているが、自民内ですら衆参でスタンスに違いがある。衆参両院の代表者によるWTで意見をすり合わせ、与野党での条文化作業につなげたい考えだ。

 WTは党憲法改正実現本部の下に設置され、メンバーは衆参各5人の計10人。衆院側はいずれも憲法審査会幹事の船田元氏、加藤勝信氏、小林鷹之氏ら、参院側は岡田直樹氏、片山さつき氏、磯崎仁彦氏らが名を連ねた。初会合には実現本部長の古屋圭司氏らも出席し、約1時間20分協議した。

 古屋氏は会合後、記者団に「まずは衆院と参院で同じ方向でやると徹底するために会議を開いた。やや温度差があったのでしっかり調整していく」と説明。「具体的に条文作成の取り組みをしていくために、党としてしっかり連携をしていく」と語った。

 自民は先の通常国会で、衆院憲法審査会では改憲項目の案として緊急事態での国会議員の任期延長について論点整理を示したが、参院側では慎重論も目立ち足並みはそろっていない。現行憲法には緊急時に参院が「緊急集会」で国会の機能を代行できる規定があり、参院側では任期延長への警戒感が強い。

 WTは来週以降、協議を本格化させ、必要に応じて首相(党総裁)に出席を求めながら意見集約を急ぐ方針。その後、憲法審査会の閉会中審査を開催し、与野党で条文化作業を進めることを目指している。【遠藤修平、竹内望】

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。