公明党の山口那津男代表

 公明党は党代表を選ぶ2年に1度の定期党大会について、予定通り9月に実施する調整に入った。党関係者が2日明らかにした。9月下旬の開催を検討しており、実施されれば山口那津男代表の9選が決定する公算が大きい。

 山口氏は6月中旬、党大会の開催について「時期をずらすなど配慮を巡らせたい」と述べ、予定された9月開催から延期する可能性に言及していた。

 公明が党大会延期という異例の対応を検討したのは、自民党総裁選が9月までに予定され、新総裁が誕生すれば総裁選から間を置かず、衆院解散・総選挙が実施される可能性があるためだった。

 ただ、来夏には参院選や東京都議選も予定される。党内や支持母体の創価学会から衆院選も含めた大型選挙に向け、早期に安定した組織体制を整えて臨むべきだとの異論が出て、方針を転換した模様だ。

 山口氏は2日の記者会見で党大会について、「基本的には9月で計画したい」と語った。

 山口氏の後継には石井啓一幹事長の名前が挙がるが、次期衆院選では比例代表北関東ブロックから埼玉14区に転出することが決まっている。公明党関係者は「新代表として全国行脚をしながら初めての選挙区で戦うことはかなり難しい」と指摘。政治資金パーティー裏金事件を巡って与党に逆風が吹く中、安定感のある山口氏の代表続投を求める声が高まっている。

 山口氏は2009年に代表に就任し、現在8期目。在任期間は公明が再結党した1998年以降で過去最長の記録を更新している。【野間口陽】

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