東京都知事選は7月7日の投開票を予定する

自民党の東京都連(会長・萩生田光一前政調会長)は10日午前、臨時の総務会を開く。20日告示の都知事選(7月7日投開票)の対応を協議する見通しだ。現職の小池百合子氏が出馬する場合に支援する案がある。

小池氏から推薦の依頼がなくても支援組織を立ち上げて3選に向け協力する方向だ。

都知事選には立憲民主党の蓮舫参院議員が出馬を表明した。首都決戦で蓮舫氏が勝利すれば、自民党にとって次期衆院選への打撃となるとの見方が強い。

2020年の前回都知事選に続いて独自候補を立てないことになる。党派閥の政治資金問題を引き金にした世論の逆風が背景にある。都連では知名度の高い小池氏を支援するべきだとの意見が強まっている。

自民党が「確認団体」を設立して小池氏が特別顧問を強める地域政党「都民ファーストの会」や公明党などと相乗りで支援する案を検討する。党派色を薄めて不戦敗を回避する。

確認団体をつくると選挙期間中に一定の活動ができるようになる。ポスターの作製やビラの配布、自動車での街宣が可能になる。候補者名が類推できる内容をポスターなどに記載できないといった制約もある。

小池氏が自民党からの推薦がマイナスに働くと判断する可能性がある。前回の都知事選でも小池氏は政党支援を断った経緯がある。

自民党は東京での選挙で敗戦が続く。4月の衆院東京15区補欠選挙では不戦敗だった。5月下旬以降に目黒区での都議補選で公認候補、港区長選で推薦候補がそれぞれ敗れた。蓮舫氏は都知事選で「反自民・非小池」を前面に掲げる。

自民都連に所属する国会議員の一人は「ここまでやりづらい選挙もない」と厳しい状況を吐露する。

小池氏は依然として都知事選への対応を明らかにしていない。都議会が閉会する12日以降に態度を表明するとみられる。蓮舫氏の出馬表明などを受け、慎重に判断の時期を探っている。

自民党と小池氏は足元で良好な関係を築く。4月下旬の東京15区補選の直前、小池氏は党本部で都連幹部との会合に出席した。小池氏は会合後、都の成長戦略の推進に向け「しっかり連携しておくことが必要だ」と記者団に強調した。

当時は東京15区に出馬表明した乙武洋匡氏の推薦を巡り、自民党と小池氏の関係がギクシャクした時期だった。都知事選をにらみ会合で関係の修復を狙ったとの見方が広がった。自民党は都知事選と同日投開票の都議補選でも小池氏の支援を探っている。

最近の都知事選で自民党は振るわない。16年は保守分裂選挙となり、自民党推薦の増田寛也氏が小池氏に敗れた。20年は小池氏から推薦の依頼がなく、自民党は独自の候補の擁立を探ったものの最終的に自主投票とした。

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