2023年に美容外科を標榜(ひょうぼう)する診療所が2016施設となり、3年間で4割増えたことが厚生労働省の医療施設調査でわかった。ほかの診療科よりも増え方が際立っており、美容医療の需要の伸びなどが影響しているとみられる。一方、少子化が進むなかで、小児科や産婦人科の診療所は減っている。
厚労省は医療機関の詳細な診療内容などを3年に1度調べており、22日に23年の調査結果を公表した。
それによると、歯科を除く診療所の総数は20年から2282施設増え、10万4894施設となっている。
標榜している診療科(重複を含む)でみると、美容外科はこの3年間で43.6%増え、最も増加率が高かった。美容外科の診療所は08年に983施設で、20年までは3年ごとに100施設ほど増える傾向だった。だが、23年の調査では612施設も増えている。
美容外科と領域が近い形成外科の診療所も15.0%増えて、2491施設になった。
このほか、腎臓内科や糖尿病内科がそれぞれ10%以上増えており、生活習慣病への対応に力を入れている診療所が多いとみられる。
一方、少子化の影響で、小児科は5.4%減、産婦人科・産科は1.6%減だった。
この調査では、23年9月の1カ月間の分娩(ぶんべん)状況も調べており、分娩時の痛みを麻酔で和らげる「無痛分娩」が広がっている実態も明らかになった。
帝王切開を除く分娩のうち、無痛分娩が占める割合は、病院で13.2%(20年は9.4%)、診療所では14.6%(同7.6%)で、いずれも増加していた。
また、全分娩に占める帝王切開の割合は、病院で29.1%(同27.4%)、診療所で15.3%(14.7%)だった。(後藤一也)
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